中国の「台湾侵攻」に日本が備えておくべき理由

「巻き込まれたくない」という話では済まない?

会談後、共同記者会見するバイデン米大統領(右)と菅首相(写真:UPI=共同)
4月16日に菅義偉首相とバイデン大統領が日米首脳会談を行った。共同声明で52年ぶりに「台湾」を明記し、日本としても台湾情勢を注視している姿勢を明確に示した。
中国が台湾に対して軍事的挑発を続ける中、日本は米中対立や台湾問題にどう向き合えばよいのか。そもそも台湾情勢はどれほど緊迫しているのか。中台関係や安全保障に詳しい東京大学東洋文化研究所の松田康博教授に聞いた。

台湾「海峡」という言葉選びの妙

――日米首脳会談の共同声明に52年ぶりに「台湾」が明記されたことが日本や台湾で大きく取り上げられました。

中国が非平和的に台頭したことの帰結だといえる。実際に台湾周辺の情勢が悪化しているので、アメリカにとって最も信頼性が高い同盟国である日本と共に首脳会談で打ち出せば、中国に対しても明確なメッセージになるし、日本国内でも台湾海峡の平和と安定に向けて動き出せる。

「台湾」明記と話題だが、共同声明には「台湾海峡の平和と安定の重要性」とある。台湾海峡は国際海峡の地名であり、大部分は公海で中国の内海ではない。その平和と安定の重要性を否定すれば、国際秩序の破壊者であると自白するのと同じである。つまり、日米は中国による「内政干渉」批判を受け付けない正当な論理を構築している。

しかも、台湾支援はどこにも書かれていない。アメリカは台湾に武器輸出までしているが、日台は経済と文化を主とする非政府間関係にとどまっており、日米が共同声明で台湾支援に触れるのは適切ではない。

東洋経済プラスの特集「緊迫 台湾情勢」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 就職四季報プラスワン
  • 森口将之の自動車デザイン考
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT