イーロン・マスクの盟友が見通す2030年の世界 衝撃的な10年後の未来図とそれに備えた対処法

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これから10年でいったい何が起きてくるのか(写真:metamorworks/PIXTA)
変異ウイルスの広がりなど依然として新型コロナに翻弄される中、テクノロジーの世界は指数関数的な勢いで進化を続けているという。『週刊東洋経済』5月1―8日合併号は「『未来を知る』ための読書案内 ベストブック2021」を特集、未来を展望できる書籍「未来予測本」を有識者や書店員らから推薦してもらい、ランキングした。
今回、「未来予測本」トップに選ばれたのは、『2030年 すべてが「加速」する世界に備えよ』(NewsPicksパブリッシング刊)で、著者はイーロン・マスク(テスラCEO)の20年来の友人でベンチャーキャピタリストのピーター・ディアマンディスさん。衝撃的な10年後の未来図とそのときに備えるための私たちの対処法を聞いた。

今は最高にエキサイティングな時代

――この著作『2030年』で読者に最も伝えたかったことは。

今後10年で私たちの生活のあらゆる側面、あらゆるビジネス、あらゆる産業が大きく変革していく。コンピューター、センサー、ネットワーク、AI(人工知能)、ロボット、3Dプリンター、バイオテクノロジーや遺伝子工学、ブロックチェーンなど各種テクノロジーの進展が、私たち自身のビジネスや生活をどのように変えるのかを、きちんと知っておくことが重要だ。

『週刊東洋経済』4月26日発売号の特集は「未来を知るための読書案内 ベストブック2021」です。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら

新型コロナをきっかけに、各分野でデジタル化とテクノロジー利用が一気に進んだのを目の当たりにした。私たちはいま、最高にエキサイティングな時代を生きていることを実感してほしい。ムーンショット(大胆かつ野心的な挑戦)を実現するパワーも能力も自らの手中にあり、夢を現実のものにできる時代に生きているからだ。

――「テクノロジーのコンバージェンシー(融合)」で変革スピードが加速すると書かれていますが、それに伴う産業界の浮沈をどう考えていますか。

消えてゆく業界よりずっと多くの業界がパラダイムシフトを経験するだろう。特に教育と医療は最も変貌する。教育は以前なら全く考えられなかったやり方で、完全にカスタマイズされる。AIに基づく学習基盤とアンドロイド教師があなたやあなたの子供たちのニーズをしっかりと把握し、個人に合った教え方、教材、学習相談を提供してくれるだろう。

医療面では、身体や住宅環境設備、公共インフラにまでセンサーが埋め込まれるようになり、自宅で診察が受けられることになる。センサーから継続的に収集される医療データと素早く反応するAIシステムによって医療は大きく生まれ変わり、患者は自分の健康面において、いわば“CEO”になれる。

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