「節約は楽しいですけど何か?」と語る人の脳内 悲しい倹約でない世界がそこには広がっていた

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「節約がいかに楽しいか」について語ります(写真:Melpomene/PIXTA)

4月といえば新年度のスタートだ。今年から社会人となった若者向けに「貯蓄はいくらすればいいのか」や「資産形成の始め方」といったテーマで答える記事が目につく。中には、「5年でコツコツ500万円を貯めた私の節約術」なんて体験談があったりもする。

かくいう筆者も、社会人になった時に「30歳までに1000万円貯めたい!」と目標を定め、節約生活をスタートした。入ってくる収入が決まっている場合、使うお金を減らさなければ貯蓄を増やすことはできないからだ。

で、その目標を達成した後も身についた節約スタイルを続け、順調に資産を増やしていたところ、よく投げかけられたのが、この言葉だ。

「そんなに節約して何が楽しいの?」

もしかすると、これを読んでいる皆さんも、そう思っているかもしれない。お金は使ってこそ生きるもの、使わずに貯め込んでも人生楽しいはずがない。ほら、お金は天下のまわりもの、使えば使うほど戻ってくるというじゃないか――。

お金の使い方には、その人自身の生き方が出る。人の数だけ答えがあり、唯一無二の正解はない。つまりはその質問に筆者が答えるとすれば、こうだ。

「ええ、節約していて楽しいですけど何か?」

筆者のような言葉を投げかけられた節約達人も多いことだろう。良い機会だ、これから前向きに節約してお金を貯めたいと考えている、数多のミリオネア予備軍のために「節約がいかに楽しいか」について語ってみよう。

「人生のムダ」から解放感される楽しさ

まず、言葉の定義から見ていこう。

【せつ-やく】無駄を省いて、費用を切り詰めること。倹約。

本棚の『広辞苑』にはこうある。ネットで引いても大概同じだ。節約というと、毎日モヤシばかり食べているとか、テイッシュペーパーを半分にカットして使うとか、そういう行為を思い浮かべる人もいそうだが、さにあらず。やみくもに出費を削ればいいのではない。切り詰めるべきは、無駄な支出だ。

これは深い問いかけではないか。例えば、今月使えるお金が5万円としよう。お金が貯まらないタイプの人は「何に使ったかわからないが、なぜか残っていない」とよく口にする。しかし節約家は、使えるお金が限られている以上、自分にとって必要なものと、そうでないものをじっくり考える。モノを買う時もサービスを選ぶときも、「これって本当に必要なもの?」と真剣に吟味する。

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