米国株が暴落しそうで結局さらに上昇する理由 「高所恐怖症」に悩む個人投資家は増加の一途

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日米首脳会談は両国の結束を確認。だが株価はアメリカの独歩高が鮮明だ(写真:ロイター/アフロ)

直近の値動きから振り返ろう。16日のアメリカ株は、ダウ平均株価とS&P500種指数が史上最高値を連続して更新した。またナスダックも続伸し、史上最高値まであと43ポイントと迫っている。

変異型が猛威の中、アメリカ株が強い理由

そのほか欧州でも、独DAXが史上最高値を、仏CAC40が年初来高値を連続更新している。これが、新型コロナウイルスが変異型に置き換わって感染を拡大している中での株式市場の姿である。

理由ははっきりしている。コロナに負けないアメリカの経済指標である。この日出た3月の住宅着工件数は173.9万戸と、予想161.1万戸、2月の142.1万戸を大きく上回った。

また住宅建設許可件数も176.6万戸と、予想の175.0戸、2月の172.0万戸を上回っている。このところの住宅ローン金利と住宅価格の上昇で頭打ち気味だった住宅需要は、再びの上昇を見せている。4月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値も86.5と、3月の84.9を上回った。

15日に発表された指数はさらに強かった。3月小売売上高は前月比+9.8%と、予想+5.7%、2月の▲2.7%を大きく上回り、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数も26.3と、予想の19.2、3月の17.4を大きく上回り、4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数も50.2と、大きく伸びた3月の44.5を上回った。

また新規失業保険申請件数も57.6万件と、予想70.0万件、前回の76.9万件を下回り(好材料)、コロナ禍でダメージを受けた労働市場は大きく回復してきた。

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