コロナで自己資本が毀損した外食ランキング 大手は100億円単位で消失、資本注入の動きも

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コロナ禍で外食関連企業は自己資本を大きく毀損している(撮影:今井康一)

「当社の存亡に与えるリスクを勘案したとき、何らかのアライアンスが必要だと感じていた」

ロイヤルホールディングス(HD)の菊地唯夫会長は、2021年2月15日に行われた総合商社「双日」との資本提携の場でこう語った。

コロナ前の2019年12月末時点で500億円を超えていたロイヤルHDの自己資本は、2020年12月末時点で約200億円まで縮小。双日と提携したのも「財務基盤の早期改善が必要だった」(菊地会長)というわけだ。

すかいらーくやワタミも自己資本が消失

ランキングでは、上場している外食関連企業が1年前と比べて自己資本をどれだけ増減させたかを調べた。もっとも自己資本の額を減らしたのはロイヤルHDで、菊地会長の発言通り、約300億円減少した。

ファミリーレストラン最大手のすかいらーくホールディングスや居酒屋大手ワタミも、100億円を超える自己資本が消失した。店内飲食が忌避され、売り上げが激減。店舗の大量閉店もあり、最終赤字となったのが原因だ。

居酒屋やレストランなどを中心に巨額赤字を計上し、自己資本を大きく毀損した外食企業は後を絶たない。ロイヤルHD以外にも、ファンドや異業種などさまざまなプレーヤーから資本を注入してもらう企業がコロナ禍で急増した。

東洋経済プラスの連載「崖っぷちの外食」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。連載ではコロナ禍で苦境にあえぐ外食業界にまつわる課題を取り上げています。

・インタビュー/ロイヤルホールディングス 菊地唯夫会長
・インタビュー/ワンダーテーブル 秋元巳智雄社長
・経営悪化度ランキング①/「売り上げ半減企業が約20社も」
・経営悪化度ランキング②/「外食企業の多くが自己資本を失った」
・「第4波」直撃の大阪、飲食店に広がる阿鼻叫喚

 

【情報提供のお願い】東洋経済では、外食業界が抱える課題を継続的に取り上げています。こちらのフォームでは飲食店経営者や従業員の方々からの情報提供をお待ちしております。
中尾 謙介 東洋経済 記者

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なかお・けんすけ

1998年大阪府生まれ。現在は「会社四季報」編集部に在籍しつつ水産業界を担当。辛い四季報校了を終えた後に食べる「すし」が世界で1番美味しい。好きなネタはウニとカワハギ。

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