欧州で2位「プジョーのSUV」が大ヒットする訳 SUVらしさ+フランス車らしさ=洗練の仕上がり

✎ 1〜 ✎ 33 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 最新
拡大
縮小
プジョー「2008」がヨーロッパ乗用車販売台数で月間2位を記録した(写真:STELLANTIS)

今年2月のヨーロッパの乗用車販売台数ランキングは、ちょっとした驚きだった。1位がプジョーのBセグメントハッチバック「208」で、2位に同じプジョーのBセグメントSUVの「2008」が入ったからだ。

トップ2をプジョーが独占するのもすごいが、SUVが2位に入るというのもハッチバックが根強い人気のヨーロッパでは異例であり、現地でプジョーのSUVが高く評価されていることを教えられた。なぜ人気なのだろうか。

理由の1つとして考えられるのは、ヘビーデューティではないクロスオーバー的なSUVの中では、キャリアが比較的長いからだろう。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

現在、プジョーのSUVは、2008以外に「3008」と「5008」がある。最初に登場したのは3008で、日本に導入されたのは2010年。2代目となる現行型は2017年にわが国で発売された。

同じ年には、初代はミニバンだった5008が、この2代目3008と基本設計を共有する3列シートSUVに生まれ変わっている。そして今年、2台ともにマイナーチェンジを実施した。一方の2008は、2013年に日本で発表。翌年販売が始まり、2020年に現行の2代目に進化している。

初代3008が日本で発売された2010年というと、日本メーカーのSUVでは日産「ジューク」がデビューしており、2008が上陸した2013年にはホンダ「ヴェゼル」も登場した。コンパクトSUVのパイオニア的存在である2車種と同等の経歴の持ち主なのである。

「砂漠のライオン」の異名を持つ活躍も

プジョーといえば、モータースポーツでの活躍も見逃せない。

1980年代にはWRC(世界ラリー選手権)で2年連続メーカーとドライバーのダブルタイトルを獲得。続いて参戦したパリ~ダカール・ラリーでは、4年連続総合優勝を記録し「砂漠のライオン」の異名をとった。近年もダカール・ラリーで2016年から3連覇を達成。サーキットでの活躍もあるが、オフロード系にめっぽう強い。

フランス生まれらしい洗練されたデザインも、プジョーSUVの人気の源泉だと思っている。ただし、この面については2008/3008ともに、先代と現行型とでは方向性が大きく異なる。現行型になって形を一新したことが、好調につながっているようだ。

次ページコンパクトでも力強い“造形の妙”
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT