小室圭さんの説明文書が「0点」と言える3つの訳 ビジネスパーソンも肝に銘じたい執筆の心構え

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6万字超、28ページにわたる長文で伝えた内容の問題点とは?(写真:Rodrigo Reyes Mari/アフロ)

その内容と長さに驚かされた人が多かったのではないでしょうか。秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんが、母親と元婚約者の男性の金銭問題などについて説明する文書を公表しました。

しかし、ネット上の声も、ワイドショーの論調も、「自分の言いたいことを書いているだけ」「プライドの高い人間であることがわかった」。それどころか、「長くて読む気がしないものを書いた時点で失敗」「これは0点の文書だろう」などと切り捨てる声が大半を占める事態を招いています。

では、小室さんの文書にはどんな問題点があったのでしょうか。ビジネスパーソンにも参考にしてほしい3つのポイントから掘り下げていきます。

長さは相手の負担になり、時間を奪う

まず1つ目のポイントは、6万字超、28ページにわたる長さについて。

小室さんにしてみれば、冷静かつ論理的な説明をしたつもりでしょうが、いくつか感情的な文章が見られましたし、それ以上に長さが積もりに積もった怒りを象徴していました。もし小室さんにそのつもりはなかったとしても、読み手は「僕はこんなに悔しい思いをしていたんだ」「これほど耐えてきたんだぞ」「何でちゃんと理解しようとしないんだ」という怒りの感情を受け止めることになるのです。

自分の正当性を主張するために、読み手に負の感情を長々とぶつけてしまう……そういう男性が眞子さまのお相手としてふさわしいのか。事の真偽はさておき、読みはじめた人々の脳裏には、そんな疑念が浮かんでしまったでしょう。

そもそも長い文章は、読み手の時間を奪うものであり、公私においてマナーとしての問題点があり、決して推奨されるものではありません。実際、ビジネスの企画書でも「1枚で」と求められるケースが多く、それに興味を持ってもらえたら数枚のロングバージョンを見せるという段階を踏むものです。

また、身近なところでは、家電の説明書が短い「簡易版」と長い「詳細版」に分かれていることからも、読む人の時間を奪わない配慮が必要なことがわかるでしょう。このような「配慮に欠ける」という点で小室さんは利己的な印象を与え、「利他的に振る舞う皇室の人々とは合わない」というイメージを与えてしまった感があります。

ビジネスパーソンのみなさんも、主張したいことがあるときほど、「長さは相手の負担になる」「自分の思いを長さで表現してはいけない」ことをぜひ覚えておいてください。

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