マック快進撃の裏にある「CM」の何気ない仕掛け

お得感だけでなく会話の懸け橋として価値訴求

2020年度のCM好感度ランキングにおいて、マクドナルドは1位に輝いた(記者撮影)
コロナが痛撃した外食産業において、快走を続ける日本マクドナルドホールディングス。コロナ禍にもかかわらず、2020年12月期の営業利益は過去最高となる312億円(前年比11.7%増)を叩き出した。
勝因を分析すると、単にテイクアウトやデリバリーがしやすい業態としての強み以外に、広告の打ち出し方でもさまざまな試行錯誤がなされていた。コロナ禍という難局において意識した戦略とは何か。事業会社である日本マクドナルドのCMO(最高マーケティング責任者)、ズナイデン房子(ふさこ)氏に聞いた。

消費者の心をつかんだ3つのポイント

――コロナ禍で、CMをはじめとするマーケティング戦略に変化はありましたか。

マクドナルドや私自身がこれまで蓄積してきたマーケティングの知見は限られた範囲でしか生かせず、新しいアプローチが必要だと早い段階から認識していた。コロナ禍で刻々と変化するであろうお客様のインサイト(人を動かす心理状態)を感じ取り、ブランドとしていかに価値を提供できるかが大事だと思った。

そのうえで、コロナ禍のお客様のインサイトを広く分析すると、大きく3つあると考えた。1つ目が、感染予防のための安心安全という「セーフティ」。2つ目が、機能面での利便性である「コンビニエンス」。そして3つ目が、従来以上の付加価値を求める「バリュー」志向だ。

3つのなかで最重要なのが、セーフティ。コロナ前から徹底している衛生管理や、対面接触を低減できるサービス(テイクアウトなど)をいち早くお客様に訴求する必要があると感じた。本来ならば完成度の高いCMを作るところだが、コロナ初期の頃はスピード重視。パワーポイントのような簡素な広告を作り、非接触での商品購入も可能であることなどをいち早く伝えることに注力した。

東洋経済プラスの連載「図解!マーケティング最前線」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。

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