トヨタ「ライズ」がSUVブーム牽引する納得理由

コスパの裏で光る開発担当・ダイハツの貢献度

トヨタ自動車の「RAISE(ライズ)」(右)は167万9000円~、ダイハツ工業の「Rocky(ロッキー)」(左)は170万5000円~。コスパの良いコンパクトSUVとして幅広い世代の人気を集めている(撮影:梅谷秀司)

街での普段使いからアウトドアまで幅広く使える車として、日本でもSUV(スポーツ用多目的車)の人気は急速に高まっている。中でも人気なのが、全長が4.0mから4.3mほどで小回りの利くコンパクトSUVだ。このカテゴリーには日本車メーカーに加え、近年は輸入車もこぞって新型車を投入し、活況を呈している。

足元のコンパクトSUVブームを牽引するのが、トヨタ自動車の「ライズ」とダイハツ工業の「ロッキー」だ。この2車種は兄弟車として、2019年11月にデビュー。2車種を合わせた新車販売台数は2020年3月まで5カ月連続で登録車トップを記録した。その後、コロナ禍で2020年4~5月の販売台数は落ち込んだものの、年間を通じてコンスタントに売れ続けた。

2020年の登録車販売台数は、「ライズ」が12万6000台で、「ロッキー」が3万1000台。車種別で「ライズ」はトヨタの「ヤリス」(15万1000台)に次ぐ2位となったが、「ロッキー」と合わせた台数では15万7000台で実質首位に輝いた。

実はトヨタのライズもダイハツが開発

なぜ、「ライズ」と「ロッキー」がここまで売れているのか。販売店から聞こえてくるのは、「圧倒的なコストパフォーマンスの高さ」「キャビンや荷室の広さ」「デザインのよさ」だ。人気のSUVカテゴリーで新型車を出せば必ず売れるという単純なものではなく、商品に高い付加価値があり、それらが消費者に響いてこそ売れるという基本原則が透けて見える。トヨタとダイハツは消費者に刺さるポイントを用意周到に探ったうえで、それを実際のクルマづくりに生かした。

ヒットの背景を解明するうえで重要なのが、トヨタとダイハツの関係性だ。ダイハツは1998年にトヨタの連結子会社となり、トヨタ向けの小型車を共同開発したり、製造を受託したりしてきた。「パッソ」と「ブーン」、「ルーミー」と「トール」といった兄弟車展開がわかりやすい例だ。

2016年にトヨタの完全子会社となり、2017年に両社で社内組織の新興国小型車カンパニーを設立。日本と新興国(主に東南アジア)では小型車の開発や製造をダイハツが担うことになった。そのため、今回の「ライズ」と「ロッキー」の開発や製造はダイハツの役目だ。トヨタは、外観などで兄弟車としての違いを出すために、商品企画を軸に参画している。

トヨタとダイハツが「ライズ」「ロッキー」の開発を始めたのはダイハツがトヨタの完全子会社になった2016年頃。その時点でSUVブームが到来していた。トヨタは、2016年12月にSUVの「C-HR」を投入。C-HRは2017年と2018年にSUV販売台数首位になった。国内市場でのSUV販売は毎年増加の一途をたどっており、そこに商機があることは明白だった。

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