東北新社問題で浮き彫り「放送と政治」の違和感

総務省と事業者に透ける上下関係、現実解は?

東北新社との高額接待で大きく揺れている総務省。同省が有する許認可権を独立した機関に移すべきではという議論が再燃している。(撮影:梅谷秀司)
総務省官僚が利害関係者である衛星放送事業者の東北新社社員から、高額な接待を受けていたことが波紋を呼んでいる。
その中で、放送の許認可権を持つ総務省が高額接待を受けていたため、そうした許認可権を独立した機関「独立行政委員会」に移すべきではないかという議論が出てきている。メディア法に詳しい慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所の鈴木秀美教授に諸外国の放送規制機関と日本の現状について聞いた。

総務省と放送事業者に透ける上下関係

――東北新社から総務省官僚が高額な接待を受けていたことが判明しました。

今までも大蔵省の接待問題など(許認可権を背景にした)同様の問題が繰り返されてきた。その中で自分が監督している業界からの接待は、「官僚は受けない」もしくは「完全に割り勘にする」というルールができあがった。にもかかわらず、それを守っていなかった。一般人の感覚からすると驚くような豪華な食事をしていたわけだ。

ほかの省庁では行われていなかったことを、放送や通信の分野の人たちは「守らないでいい」となっていたように見える。いつの間にそうなっていたのかと驚いた。

あくまで推測だが、衛星放送業界全体がネットフリックスなど動画配信サービスに押されている。その中で、衛星使用料の値下げなど業界として総務省に頼みたいという動きもあった。そうした話をうまく進めるためには、(許認可権などを持つ)総務省とコミュニケーションをとっておいたほうがいい、ということがあったのではないか。

――総務省は放送事業者へ、放送事業を許諾するという監督の立場です。上下関係が出来上がっていたのではないですか。

上下関係は当然ある。(誰にでも始められる)活字メディアとは異なり、放送業界は限られた人しか免許などが交付されない。つまり、総務大臣が認めない限り事業ができない。

そのため、新規参入の自由がない。市場原理に基づいて事業を行うわけではなく、必ず総務大臣が事業を始める段階で関わってくる。当然、許認可する側とされる側という力の関係ができあがる。

東洋経済プラスの連載「混迷 東北新社問題」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。

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