橋下徹「ベーシックインカムがいま必要な理由」 金持ちにはいったん支給して「税金で回収」せよ

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テレビのコメンテーターとしても活動する橋下氏  
いまや日本を代表する論客といえる橋下徹氏と堀江貴文氏。
2人の共著『生き方革命 未知なる新時代の攻略法』では、働き方・お金・学び・教育・都会生活などについて、2人の持論が展開されています。
本稿では、同書から一部を抜粋しお届けします。

人に頼られ、人に頼る。人を助け、人に助けられる。このやり取りの連鎖によって社会は成り立っている。

「自助、共助、公助」 という言い方がある。自分自身や家庭で何とかするのが自助、地域などのつながりで助け合うのが共助、公的な機関による支援が公助ということになる。

「共助」が充実していた昔の日本

昔の日本は、共助が充実していた。

町内にはお節介なおじさんやおばさんがいて、住民の近況をしっかり把握していた。食材や日用品は、商店街にあるなじみの八百屋や魚屋で買う。おかずやもらい物が余ったら、隣近所にお裾分けする。

地域社会のウェットな人間関係は時に煩わしく、息苦しいものにもなるが、共助として機能していたのは間違いない。

日本の政治行政も、ウェットな人間関係を前提として社会保障の制度を設計してきた。また公助といいつつも、役所と住民の関係もウェットだった。役所の窓口で働いている公務員も、是非はともかくとして、顔なじみの住民に自分の裁量で融通を図ったりもしていた。

「自助、共助、公助」は、それぞれが独立しているのではなく、一体となって初めて機能する。

自己責任の自助で頑張れ、それが無理なら共助、最後に公助を頼れと言われても、いまや共助は果てしなく薄くなっている。

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