総務省が停滞する「4K放送」にこだわる無理筋

外資比率で認定失った東北新社問題で悪目立ち

家電量販店に並ぶ4K対応テレビ(写真:共同通信イメージズ)

「ビジネスとして成立していない4K・8Kは、総務省のメンツを保つためだけに延命させられている」

ある放送関係者は総務省が衛星放送を軸に推進する4K・8K政策についてこのように苦虫をかみ潰す。4Kとは既存の画質をHD(ハイビジョン)とした時、4倍画質が良くなるもののこと。8KになるとHDの16倍高画質な映像になる。端的に言えば「画質が良くなる」というものだ。

2010年以降、日本は衛星放送を中心に「映像文化発展」や「(テレビ)メーカーの国際競争力の強化」などを目的として、4K・8Kの推進を行ってきた。しかし、いまこの政策の存在意義自体が問われる事態に発展している。

「多くの視聴者が4Kを楽しんでいる」はずが…

4K・8Kは2018年に実用放送が始まり、現在はBSにおいて有料も含め11チャンネル(うち1チャンネルが8K)放送されている。2015年に4K・8Kの推進に当たって国が定めたロードマップでは、2020年の東京オリンピックに合わせて「多くの視聴者が市販のテレビで4K・8K番組を楽しんでいる」ことが目標として掲げられていた。

しかし、 国内で約9000万台と推計されるテレビの総数に対し、 現状でチューナー内蔵テレビなど4K・8K衛星放送を視聴可能な機器台数は、2021年1月末時点で約757万台程度(放送サービス高度化推進協会調べ)だ。この数字もあくまで視聴可能な台数であって、視聴している世帯ではない。そのため実際に4K・8K放送を視聴している人はより少ないと考えられる。

このようになかなか普及しない背景には、4K・8Kでしか視聴できないコンテンツが少ないことやアンテナ・チューナーなど設備更新の必要なケースがあるためとされる。そうした点に加え、そもそも4K・8Kにどこまでニーズがあったのかも疑問符がつく。

東洋経済プラスの連載「混迷 東北新社問題」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。次回「東北新社問題で浮き彫り『放送と政治』への違和感(仮)」は近日配信予定です。

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