東北新社の認定取り消しが「かすり傷」の意外感

放送できないチャンネルの契約数はたった650

総務省への接待問題から、外資規制違反が発覚し、チャンネル認定の取り消しに至った東北新社。しかし、業績面では「かすり傷」だ(写真:共同通信イメージズ)

東北新社と総務省の高額接待をめぐる問題は、チャンネル認定の取り消しという事態にまで発展した。

東北新社から接待を受けていた総務省は3月12日、同社の一部チャンネルに関する衛星放送事業の認定を取り消すと発表した。今回、認定取り消しとなるのは、東北新社が運営する8チャンネルのうち洋画専門チャンネルの「ザ・シネマ4K」だ。

放送法では外国人が議決権の20%以上を占めている場合、放送事業者として認定しないと定められている。東北新社は同チャンネルを申請した2016年10月時点で、外資比率は20%以下と説明していたが、実際には外資比率が20%以上だったことが判明した。

業界の常套手段を使い損ねた

今回の外資規制違反は単純な計算ミスと見られている。放送事業を行う各社は、放送法が定める外資規制20%の上限を容易に避けることが可能なためだ。

放送法には外国人等の株式について「株主名簿に記載し、又は記録することを拒むことができる」という規定が存在する。実際に、フジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスは2020年9月末時点で外国人等の議決権割合が本来38.8%であるところ、同条項を用いることで3674万株もの名義書換を拒否し議決権行使を制限。外資規制の上限一杯である19.9%に抑え、認定取り消しを避けている。

東北新社の場合も、同様の手法をとれば規制に抵触する20%は超えず、なんら問題ないはずだった。総務省担当者は「東北新社も同様の措置を取れる。一般的にはそういう(議決権行使を制限する)ものだと思っていた」と驚きを隠さない。

東北新社の中島信也社長は3月15日の国会答弁において「申請当時、(外資規制に抵触しているという)認識はなかった」と話した。同社も「誤った計算をしており、外資比率が20%を超えているとの認識がなかった」(広報)としている。

東洋経済プラスの連載「混迷 東北新社問題」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。次回「総務省が積極推進『4K放送』に問われる存在意義(仮)」は近日配信予定です。

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