ファナック「26年ぶり低成績」から逆襲するカギ
利益率の底打ちに向け「白いロボット」も登場?

かつての超優良企業が復活の兆しを見せている。
NC(数値制御)装置で世界最大手のファナックが1月27日に発表した2021年3月期の通期業績予想は、売上高5323億円(前年同期比4.7%増)、営業利益1058億円(同19.8%増)だった。
2020年4~6月期の業績が新型コロナの影響で急落したのにも関わらず、通期の業績は前期比20%近い増益となる見通しだ。
海外で需要が回復局面に
好調の要因は中国向け受注の回復だ。中国では、NC装置などのFA(工場自動化)、ロボット、ロボマシン(加工機)の各部門がIT、建機、自動車など幅広い業種向けで好調。2020年10~12月期の中国向け受注高は前年同期比167%増の598億円と大幅に増加した。

また、アメリカではロボットの受注がEVを含む自動車関連、一般産業で順調に回復している。この影響から、2020年10~12月期のロボット受注高が661億円(前年同期比42%増)と急増し、過去最高を更新した。
ファナックの山口賢治社長は、IT関連のロボドリル(小型切削加工機)の需要増加が一時的とみられることなどを懸念点に挙げる一方で、「(設備投資需要が)回復局面にあることは間違いない」と断言した。
ファナックの会社概要 は「四季報オンライン」で