「無意識差別」は経営問題、メルカリが放つ一手

社内の多様性推進にCEO直下で取り組む理由

D&I活動の一環で作成したレインボープライドのステッカー(写真:メルカリ)

「年長に見える人に対し、若く見える人より専門知識が高いと思い込んでいないか?」

「パパ社員とママ社員がいた場合、出張を打診するのは前者ばかりになっていないか?」

「エンジニアは朝が弱いよね、など、限られたサンプルだけで一般化していないか?」

これらの問いはすべて、メルカリが社内で行っている「無意識バイアスワークショップ」で投げかけられているものだ。日常業務の中で発生しそうな会話、状況などのシナリオに沿って、上記のような事例について考え、議論を重ねていく。

無意識バイアスとは、可視的(年齢、体格、性別など)・不可視的(職位、宗教、性的指向など)な特徴に基づき、フィルターをかけた状態でものごとを無意識に判断してしまうこと。これらの存在を普段から意識することで、社員間のコミュニケーションやサービス作りに生かそうというのがこの研修の目的だ。

トップ主導で対策に乗り出す

メルカリでは2020年初から、すべてのマネージャー(部下を持つ管理職)にこの研修の受講を義務付けている。同年2月には社会的なニーズの高まりを受け、研修に使っている社内資料やファシリテーター(研修の講師役を務める人)向けの運用ガイドを社外にも公開している。

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長による「女性蔑視」発言が物議をかもした。本件が示した通り、トップの差別的な発言や行動は意識している・していないにかかわらず、組織に混乱や停滞を来しかねない。もちろん一般のビジネスパーソンにも通じる問題といえる。

こうしたリスクに対し、トップ主導で取り組むのがメルカリだ。同社は2021年1月、社内のダイバーシティ&インクルージョン(以下D&I)を推進する社内委員会「D&I Council」を発足した。委員会では社員個々の多様な経験や視点を尊重したチームづくりを促進するためのロードマップ策定、関連施策の優先順位づけ、各部門の課題の吸い上げなどを行っていく。

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