ネットフリックスに「人並みの社員」はいらない

ルールを持たない「自由な会社」の裏側とは

ルールを持たない独特な組織風土が、ネットフリックスの成長を支えている(編集部撮影)

「NO RULES(ルールは置かない)」――。

アメリカの動画配信サービス大手、ネットフリックスには、就業時間が決められておらず、休暇を取るのに申請も必要ない。業務に必要な機器の購入に際しても、一定額までは経費の申請もいらない。さらに、上司が部下に命令を与えることすらない。

ネットフリックスの勢いはとどまるところを知らない。毎年1兆円以上といわれる巨額の制作費を投じて映画やドラマなどのオリジナルコンテンツを作り、今や2億人を超えるユーザーを全世界で惹きつけている。

3月1日に発表されたアメリカ・アカデミー賞の前哨戦とされるゴールデングローブ賞では、女性プロチェスプレーヤーを題材にした人気ドラマ『クイーンズ・ギャンビット』などネットフリックス作品が10部門で受賞した。

2020年12月期の売上高は前年比24%増の約250億ドル(約2兆7000億円)で、毎年2~3割増の成長を続けており、直近の株式時価総額は2260億ドル(約24.3兆円)に達する。

才能ある人は自由を求める

成功の要因の1つに、ルールを持たない異端な組織風土がありそうだ。

創業者であるリード・ヘイスティングスCEOと、フランスのビジネススクール・INSEADのエリン・メイヤー教授は昨秋、ネットフリックスの人事制度や組織風土を解説した『No Rules(ノー・ルールズ)世界一「自由」な会社』を出版した。

なぜ自由さが重要なのか。出版にあたり2020年11月に日本メディアの取材に応じたヘイスティングス氏はこう説明する。

「本当に才能のある人たちは自由を求めている。彼らは邪魔をされずに仕事をしたい。だからとてつもない自由度のある環境を作り、卓越した能力のある従業員を惹きつけてきた」

ヘイスティングス氏はネットフリックスを創業した当時、ルールに従ってミスを防ぐことよりも、柔軟性や自由、イノベーションを重視したいと考えた。だが会社の成長期はルールや管理プロセスがなければ組織がカオスに陥ってしまう。

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