「スマホ壊して!」ドコモ店員が衝撃営業の理由

言葉の背景に潜む販売店のインセンティブ依存

ドコモショップゲートシティ大崎店で記者は驚きの説明を受けた(記者撮影)

「iPhoneをご自分でわざと壊してください。最近の端末は水に強いので、水没以外の方法がいいですよ。アスファルトの路上に置いて、車で踏みつぶせば確実です」

2020年の暮れ、ドコモショップゲートシティ大崎店(東京都品川区)を客として訪れた記者は、スタッフから衝撃的な説明を受けた。家族分も含めスマホ数台分について乗り換えを検討していることを告げ、ドコモに移った場合の“メリット”を聞いたときに飛び出した話だ。

スタッフがこのような言葉を発した裏には、実はドコモの携帯電話販売代理店施策がある。

ゴールドカードの補償10万円を悪用

店頭で勧められたのは乗り換えやiPhoneの購入と同時に、年会費が1万円のドコモのクレジットカード「dカードGOLD」に加入することだった。

毎月の通信料金を含むドコモのサービスの支払いはdカードGOLDで行えば10%がポイント還元される(年会費無料のdカードでは1%)。このdカードGOLDのサービス内容には、「ケータイ補償3年間で最大10万円」というものがある。

iPhoneなどスマホの購入時から3年以内にスマホが壊れて修理不可能になるか、紛失・盗難にあった場合には、ドコモが同一機種・カラーのスマホの新たな購入費用を10万円まで補償するというものだ。これは規約に明記されている。

ゲートシティ大崎店のスタッフの勧誘はこの規約を念頭に置いたものだ。「2年後くらいに機種変更したいタイミングで、今回ご購入いただくiPhoneを全損させてください。最大10万円の補償を活用すれば機種変更が事実上、タダになりますよ」と説明された。

「同一機種」の縛りは、現行のiPhoneの人気モデルは2年後には在庫がないため気にしなくていいという。このスタッフは「その頃にはおそらくiPhone14が10万円前後で出ているでしょうからそれに替えればいいです。(通信契約を)ドコモにお乗り換えいただき、dカードGOLDに入っていただければ他社よりも断然お得です」と熱心に営業してきた。

東洋経済プラスの連載「携帯販売の大問題」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載では以下の記事も配信しています。
ドコモ担当者「頭金0円を代理店に指示したつもりはない」
ドコモ、代理店に「頭金0円強要」で独禁法違反か
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