「説明が伝わらない人」に共通する話し方の癖 聞き手に伝わる説明ができる3つのステップ

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あなたの説明、ちゃんと相手に伝わっていますか?(写真:YAMATO/PIXTA)
駿台予備学校の人気No.1講師として、東大や各種医学部に多数の合格者を輩出してきた犬塚壮志氏は現在、東大大学院に在籍しながら、企業研修などに取り組んでいる。最新刊・文庫『東大院生が7つの型で教える 神わかり! 頭のいい説明力』では、超簡単で誰もが即実践できる「説明のルール」を開示している。犬塚氏に、相手に伝わる説明の秘訣を、自身の失敗談を交えて紹介してもらった。

「簡潔に、短く話す」だけでは不十分

「専門用語や横文字ばかりで、話の内容がよくわからないのですが……」

クライアント先の担当者に新規サービスの提案をした直後に出てきた第一声がこの言葉でした。私は、予備校講師としてその業界に10年以上いたこともあり、説明スキルにはそれなりに自信がありました。「できるだけ簡潔に、短く話そう」、そう思って提案の内容を説明していたのですが、それが逆に説明のわかりにくさを引き起こしていたのです。

聞き手が知らない専門用語や業界用語を使って説明する際は、聞き手が理解するのに最低限の情報量が必要で、それを満たさないと、短く話しても「わからない」で終わってしまうことに気づいたのです。単に短く話すだけでは、逆にわかりにくい説明になってしまうのです。

また、その担当者に専門性の高さをアピールしたいというエゴも働き、横文字を多用して説明してしまっていたのです。例えば、「DX」という用語を以下のように説明していました。

「DX」とはビッグデータやデジタルテクノロジーを活用し、ビジネスモデルにイノベーションを起こすことです。

もちろん、DXに知見のある方にはこのような説明で十分伝わるかと思います。ただ、DXに馴染みのない人にこのような説明をした場合、「ビッグデータ」という用語、場合によっては「ビジネスモデル」や「イノベーション」という用語の意味そのものがあやふやで、DXという用語の理解が追いつかない可能性があります。 聞き手に伝わらない話は、しなかったに等しいのです。

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