近畿日本ツーリストが「1300人削減」の切迫事態

債務超過に転落、7000人の人員は1/3を削減へ

個人向け店舗は3分の2を閉鎖する方針。現在急ピッチで統廃合を進めている(編集部撮影)

米田昭正社長は静かに語った。「当社の設立以来、最大の赤字でございます」――。

旅行会社大手で近畿日本ツーリストを擁するKNT-CTホールディングスが正念場を迎えている。同社は2月9日に発表した2020年4~12月期決算において、旅行事業の苦戦や減損損失の計上から、34億円の債務超過に転落した。

売上高は前年同期比81%減の612億円、営業利益は261億円の赤字(前年同期は41億円の黒字)、当期純利益は216億円の赤字(同25億円の黒字)だった。すでに希望退職や事業構造改革を公表し、手を打ってきたが、国内旅行の回復ペースは鈍く、一段と厳しい状況に追い込まれている。

海外旅行が「ほぼゼロ」の衝撃度

大幅赤字の要因は、コロナによる需要減と固定費負担の重さに尽きる。

今2021年3月期は海外旅行の催行がほぼ不可能となり、国内は2020年4月中旬から5月末まで全店舗を休業。夏以降はGo To トラベルが旅行需要を押し上げたが、それもコロナの再拡大で一時的な効果にとどまった。得意の修学旅行も感染防止のため、延期や中止が相次いだ。広告宣伝費や人件費などコスト削減に踏み切ったものの、大幅な赤字計上となった。

最新の12月の取扱額からも苦戦がうかがえる。海外旅行は変わらずほぼゼロ状態。国内も団体旅行の縮小などが続き、全体で前年同月比44.4%の157億円にとどまっている。Go Toは全面停止し、緊急事態宣言も発令されているため、2021年1月と2月はさらに落ち込んでいるとみられる。

こうした状況から、同社は通期業績予想の下方修正に踏み切った。希望退職関連の損失とソフトウエアの減損損失を計上することによって、最終赤字は過去最大となる370億円の見通しだ。

東洋経済プラスの連載「消えたGoToトラベル 観光業の暗中模索」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載では以下の記事も配信しています。
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