「上場企業財務力ランキング」最新トップ300社 1位になったのは「スイッチ」が好調の任天堂

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任天堂が今回1位になりました(写真:Bloomberg)
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今回で15回目の発表となる「東洋経済財務力ランキング」は財務面から企業の力を見ていこうというものだ。成長性、収益性、安全性、規模の4つのカテゴリーで、それぞれの財務指標(3年平均)を多変量解析の「主成分分析」で相対的に評価。各得点を合計してランキングを作成した。

このうち、収益性、安全性、規模の3つの得点はCSR企業ランキングでも使用。CSRと財務の総合評価を作成する際にも活用している。

ランキングの対象は2020年9月1日時点で上場している一般事業会社(銀行、証券・先物、保険、その他金融は除く)で2020年3月期までの財務データが1期以上取得可能な3568社だ。今回は、このうち上位300社をご紹介する。なお上位2000社は4月発売の『CSR企業白書』2021年版に掲載する予定だ。

10年ぶりに任天堂が首位に!

ではランキングを見ていこう。1位は昨年2位から上昇した任天堂(3847点)で10年ぶりの首位となった。

成長性1000点、収益性847点、安全性1000点、規模1000点と高得点がずらりと並び2位以下を圧倒。売上高は2017年3月期の4890億円から2020年3月期には1兆3085億円と2.7倍に上昇するなど高い成長性を誇る。自己資本比率79.7%、有利子負債ゼロといった安全性の高さは依然健在。売上高営業利益率26.9%、ROE16.8%など、収益性も高い評価となった。

新型コロナウイルスでの巣ごもり需要もあり、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」は人気爆発。『あつまれ どうぶつの森(あつ森)』を筆頭にソフト販売が絶好調。2021年3月期の売り上げは1兆6000億円に達しそうだ。「ニンテンドーDS」「Wii」などで同じく絶好調だった2009年3月期の売上高1兆8386億円にはまだ及ばないが、利益では最高益を大きく更新する見込みだ。第3回から第5回まで3年連続トップだった同社が今後、何年連続で首位を続けるか注目だ。

昨年発売した『CSR企業白書』2020年版(東洋経済新報社)。書影をクリックすると東洋経済STOREのサイトにジャンプします

2位は昨年1位から一歩後退となった東京エレクトロン(3726点)。半導体製造装置で世界3位の同社は世界的な半導体需要拡大で、売上高は2017年3月期の7997億円から2019年3月期の1兆2782億円まで1.6倍に増加した。ただ、2020年3月期は11.8%減の1兆1272億円となった。営業利益(2372億円)、当期純利益(1852億円)も連続増益が一転減益となり成長性得点は947点から846点に悪化した。

ただ、直近のROEは22.6%と依然メーカーとしては圧倒的な数字。売上高営業利益率21.0%、当期純利益率16.4%とも高水準で収益性得点は854点から880点に上昇した。

もともと高い安全性1000点、規模1000点は今年も満点だったが、成長性(846点)は1位の任天堂に離され2位となった。しかし、2021年3月期は半導体需要の拡大で業績も上方修正が続く。次回も高順位が期待できそうだ。

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