リモートで生産性下がった会社「やりがちな事」 性悪説になった管理だと誰も幸せにならない

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テレワークで従業員の生産性の低下を防ぐにはどうしたらいいのでしょうか(写真:Fast&Slow/PIXTA)

2度のうつ病を患った経験から働き方を根本的に見直し、「全社員週休3日」というベンチャー企業のクロスリバーを立ち上げた越川慎司氏。最新刊『週休3日でも年収を3倍にした仕事術』では、「週休3日(週30時間労働)」で年収をマイクロソフト役員時代の3倍以上にできた秘密を開示している。本稿では、テレワークの生産性を高める「意外な秘訣」を紹介してもらった。

性悪説で在宅勤務を進めると、生産性が下がる

新型コロナウイルスの影響で、急にテレワークをすることになった人は多かったのではないかと思います。2020年2月末に政府が学校に休校要請をした途端、クロスリバーにはテレワークに関する問い合わせが殺到。その数は1カ月で170社以上にものぼりました。

テレワークは時短の観点からみても効果的ですから、この機会に移行するのが良いと思うのですが、現実には業務に支障をきたしたチームも少なからずあったようです。

いろいろなケースがあったと思いますが、特に問題なのはテレワーク導入に伴い報告頻度を増やしすぎて、生産性を逆に下げてしまっているケースです。在宅勤務になると「サボるのではないか」と疑心暗鬼になり、日報の提出といった報告・連絡を過度に求める企業は少なくありません。

一般的に、性悪説で働き方改革を進めると管理コストが増えます。サボってしまうのではないかという前提で管理すると、報告のための資料作成と会議が増えてしまいます。それで業績が上がるならまだ良いのですが、そうでもないのです。

弊社の匿名式アンケート調査では、在宅勤務でサボる人の94%はオフィスで勤務をしていてもサボっていました。サボる人はオフィスだろうが在宅だろうがサボります。それより、詳細な報告といった余計な作業によって、きちんと働いている人の生産性を下げるほうが問題です。

サボる問題は、場所の問題ではなく、職責と評価の問題です。サボる・サボらないは個人の自制心だけでなく、組織として正しい目標設定と評価ができているかどうかにも起因します。

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