GoToから置き去り「街の旅行会社」の切実な訴え

クーポンが余る異常事態、大手JTBも6500人削減

中小旅行会社の飛鳥旅行。店頭には多数のパンフレットが並ぶが、個人客の需要を掘り起こすのも難しい状況だ(記者撮影)

「どうせ暇ですし、いいですよ」――。そう話して記者の取材に対応してくれたのは杉並区内の商店街で旅行会社を経営する飛鳥旅行の村山吉三郎社長。村山社長は「このままだと、旅行会社というものが立ちゆかなくなってしまう」とため息交じりに語る。

2020年12月14日、菅首相がGo Toトラベル事業の全国一斉停止を発表すると、やってきたのは予約キャンセルの嵐だ。これで年末年始の書き入れ時の需要を取り逃すことになってしまった。加えて、年明けには非常事態宣言も発令、Go Toの再開も延期となった。

旅行ムードが盛り上がるわけもなく、最近、店頭を訪れるのは返金やキャンセルの客ばかりだ。先が見通せない状況で新たに予約が入るはずもない。例年、1月以降は春休みにかけての予約が入ってくるものだが、「今年はほとんどない」という。

「地方の旅行会社は儲っているのに」

村山社長が期待を寄せたGo Toは、思うような結果にならなかった。2020年7月、キャンペーンのスタート時には「東京外し」が決まり、さっそく出ばなをくじかれた。「地方の旅行会社は儲かっているのに」と複雑な気分だったという。

遅れて10月に東京が対象に加わると、それからは順調に個人客の予約が埋まっていった。ただ、多くは11月の予約分から。つまり、需要が押し上げられたのは11月から12月前半まで、わずか1カ月半の短い間だったのだ。また、飛鳥旅行は職場や学生の団体旅行を得意としてきたが、感染防止のための制限や自粛の影響は大きく、団体客の需要が底上げされることもなかった。

OTA(ネット専業の旅行会社)に利用が集中しすぎたことも問題だった。ここは「店頭での接触を避けたい」という利用者の意識も影響したとみられる。実際、OTAでは予約の急増を受けて、一時は割引や利用回数の制限が取り沙汰されるほどだった。

東洋経済プラスの連載「消えたGoToトラベル 観光業の暗中模索」では、この記事の続きを無料でお読みいただけます。同連載では以下の記事も配信しています。
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