光の速さを測った先人たちが見つけた仰天事実

徐々に奇妙な性質があることがわかってきた

光というめちゃくちゃ速いものを、先人たちはどう測っていたのか……(写真:わたほこり/PIXTA)

光速c、電子の電荷の大きさe、重力定数G、プランク定数h。

宇宙を支配する物理の4大定数を、NASA元研究員の小谷太郎氏がやさしく解説。

光速の測定は、観測技術の向上の歴史とともに精度を増してきた。しかしその先にさらなる謎が姿をあらわす……。

光速度測定の歴史

17世紀のガリレオの光速測定実験は、ヒトの動作にくらべて光が速すぎるため、うまくいきませんでした。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

光というめちゃくちゃ速いものを測るには、どうすればいいでしょうか。

この問題は研究者の意欲をかきたて、さまざまな挑戦がなされ、いくつもの手法が開発されました。光速測定は現在もさかんな1つの研究分野です。

原子時計もレーザー干渉計も光周波数コム技術もまだない時代の研究者は、自然に対する観察眼と洞察力を頼りにこの課題に取り組みました。

デンマークの天文学者オーレ・レーマー(1644-1710)は、木星の衛星を観察していて、それが計算と合わないことに気づきました

木星はいくつもの衛星を従えていて、望遠鏡をのぞくと、それがくるくる木星を周回したり、背後に隠れたりするのが見られます。衛星が木星の背後に隠れることを「蝕」あるいは「食」といい、それが起きる時刻は正確に予想できます。

ところがレーマーが精密に観測したところ、木星が地球に近いときは蝕が予定よりも数分早く起き、遠いときには数分遅くなるのです。

これは、木星の蝕の瞬間から、その光景が光速で地球にはるばるやってくるまで時間がかかるためだと、レーマーは(正しく)考えました。

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