「面倒くさい」が口癖の子供を諭す"魔法の言葉" なぜ大人は子供から「主体性」を奪うのか?

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「面倒くさい」が口癖の子どもをすくすくと育てる方法とは?(写真:apple/PIXTA)
いじめを受けた子や発達障害の子を多く受け入れたにもかかわらず、不登校ゼロを達成し、「奇跡の公立小学校」とまで言われた大阪市の大空小学校。同校の初代校長として9年間、多くの子どもたちを育てた木村泰子氏が「子育てで大事なこと」を明かす。
第2回のテーマは「主体性や表現する力を持つ子どもの育て方」について。書籍『10年後の子どもに必要な「見えない学力」の育て方』より一部抜粋・再構成してお届けする。
第1回:子供を「生きづらい大人」に育てない親の心構え

子どもの「表現する力」の磨き方

「自分を表現する力」が社会に出てからはとても大切、とよく言われますよね。

でも、それは社会に出たらスピーチやプレゼンができるように、会議で意見が言えるように、企画書やメールに必要な文章力が必要だからだと思っていませんか? もしくは大学入試に必要だから?

学校や社会でいい評価を受けるために必要なのだと思っているとしたら、決して自分を表現する力をつけることにはつながらないと思います。その結果、どうなるかというと、「評価されることを目的とした表現力」がつくだけ。

そうなれば、子どもは、評価をされない場では、自分のために自分からどんどん表現して、自分を出していこうなどとは思わないでしょうね。

自分の考えを表現する力をつける。この目的は、なりたい自分になって自分に自信を持ち、自分を大事にして、社会に出たときに活躍するため。自分が主体的に社会をつくる一人として生きていくためなのです。

そのためには、自分がどんな場でも、どんな相手でも、自分から自分らしく自分の言葉で語るこの力を、子ども時代に体中に染み込ませないといけません。プレゼンなどは、単なる手段です。手段と目的を混同してはダメなんです。

では、お母さんが子どもに表現力をつけさせようと思ったら、まず何をしたらいいと思いますか? 人前で発表する機会を増やす? 何か習い事をさせる?

実は大切なことはたったひとつ。「子どもの本音を聞く寛容力を親が持っているか」、これに尽きるんです。

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