外食大手、時短でも「協力金ゼロ」に上がる悲鳴

東京で通常営業を決断した飲食チェーンも

「1店舗6万円という給付金の多寡も問題だが、大手チェーンは(中小飲食店に対する支援と)同じ土俵にすら立てていない」。外食最大の業界団体である一般社団法人日本フードサービス協会の石井滋・常務理事は、そう指摘する。

その一方で、時短営業を行わなかった場合は店名が公表される。アメは不十分であるものの、ムチはしっかりと用意されているというわけだ。

「店名公表によるバッシングを避けるため泣く泣く時短営業に踏み切った。大手は個人店よりもやり玉に挙げられやすい」。都内に数十店舗を展開するある外食チェーンの幹部は諦め口調だ。

事業者向け支援策としては、これまで政府からは家賃支援給付金や持続化給付金が支給されてきたが、資本金10億円以上の大企業は対象外。東京都からは飲食店などに対し「感染拡大防止協力金」が支給されてきたが、資本金5000万円以下または従業員50人以下の中小・零細企業のみが対象となってきた。都の担当者は「東京は他県に比べてチェーンの数が多いため、財源の観点から対象外とした。大手であれば中小などよりも(資金繰りなどで)対応力もあるだろう」と説明する。

東京エリアで通常営業する大手も

大手に対する支援が限られるため、時間短縮営業に応じられないとの声をあげたチェーンもある。「博多劇場」などを展開する一家ダイニングプロジェクトの武長太郎社長は「資本主義経済においては自由競争が原則。そのうえで我々は夜のマーケットを中心に戦っている。こうした中、行政が20時以降の営業を制限するのであればやはり補償を伴うべき。一企業の代表として、会社、従業員、(生産者などの)ステークホルダーを守るために(協力金が出ない)東京エリアを中心に通常営業に踏み切った」と語る。

イタリアン「カフェ ラ・ボエム」などを展開するグローバルダイニングの長谷川耕造社長も「(今の行政からのサポートでは)20時までの営業では事業の維持、雇用の維持は無理」との見解を自社サイトに掲載した。同社も一部店舗を除き、原則通常営業を続ける方針だ。

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