仲良し夫婦が「相手にイラついた時」にすること 夫婦の衝突を救う「優しさのあめ玉」という存在

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好きな相手でもイライラすることはあるもの。その感情を遣り過すにはどうしたらいいのでしょうか(写真: PanKR / PIXTA)
いくら好きで一緒になったからとはいえ、価値観や育った環境などが違う相手と暮らすのはストレスが伴うことも。ついイライラして相手に爆弾を投げる前に思い出して欲しい「アメちゃん」の存在について、エッセイストで、『今日もふたり、スキップで~結婚って"なんかいい”』著者のものすごい愛さんが教えてくれました。

「やさしさのあめ玉」をポケットに

コロナ禍でリモートワークが定番化し、プライベートでも不要不急の外出自粛を余儀なくされたため、夫婦2人きりで家で過ごす時間が増えた。そうすると、これまでは気にも留めていなかった、小さな小さな相手のアラがいちいち目につくようになったりする。些細なことのはずなのに、積み重なるとだんだんとイライラしてきて、果ては大喧嘩に発展することだってあるだろう。

毎日繰り返す生活の中で、喧嘩の火種になりそうなちょっとした出来事があるたび、わたしは本能のままに薪をくべて火力を上げるのではなく、数年前にとある人に言われたおまじないをして、その火種に水をかけてやり過ごすことにしている。

夫と結婚したばかりの頃、近所のなじみの店でとあるご夫婦と知り合った。ある日、その奥さんと、いつもの店に2人きりで飲みに行ったときのこと。酒を飲み始めて3時間弱。気分がよくなってきたところで、ふと「あんな、いつもポケットにやさしさのあめ玉を忍ばせといたらええで」と言われた。

「やさしさのあめ玉って言ってもな、実際のアメちゃんちゃうで。目には見えへん、架空のやつな。まだ結婚したてやと、好き好きぃ! って気持ちしかなくてピンとこぉへんかもしれんけど、結婚生活が長くなるにつれて必要になってくんねん。一緒に生活してて、イラァッ……! ってしたときに、それを舐めるとええよ」

目の前のテーブルには、空になったワインボトルが2本ある。彼女はまるで無脊椎動物のようにくにゃくにゃしていて、わたしも船をこぐのを抑えられずにいた。そんな状態でも、彼女が親切心から言ってくれているのは理解できた。が、〝やさしさのあめ玉〟というやつがよくわからない。

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