「年下世代のせいにする人」が今やめるべきこと ラグビーの名将・エディーHCが語る真理

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いい指導者とは、いい指導とはどうあるべきか(写真左より)ラグビー日本代表キャプテンのリーチ・マイケル、ラグビー元日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ(写真:Richard Heathcote - World Rugby/Getty Images)
ラグビー元日本代表ヘッドコーチ、エディー・ジョーンズ。日本を離れてからはイングランドへ。同代表を率いて昨年のワールドカップでは準優勝を果たした。名将に学ぶチームマネジメントのヒント。新刊『プレッシャーの力』から抜粋・編集してお届けする。

ジェネレーションギャップは指導者の言い訳

私は昨年60歳になった。

当然だが、年々ヘッドコーチである私と、選手たちとの年齢差は広がっていく。だが、これが仕事を難しくしているかといえば、必ずしもそうではない。現在の選手たちの世代というものを学び、理解すれば、何も難しいことはない。

現在、イングランド代表の主力を構成する20代から30代前半の選手たちの世代は、デジタルネイティブ世代、ミレニアル世代と呼ばれる。日本で言えば平成生まれの世代で、子どもの頃からインターネットに囲まれて育った。スマートフォンとソーシャルメディアが生活の大きな一部となっている、いまどきの若者たちだ。

どんな情報でも即座に手に入る時代に育ったこの世代は、待つことが苦手だと言われていて、集中力の持続時間が短い傾向にある。理不尽なプレッシャーをひとたび与えてしまえば一気に拒否反応を示されてしまうだろう。

ではどうするか。

集中力の持続時間が短いのであれば、チームミーティングや練習時間を短くすればいいだけのこと。短い時間で密度の濃い教訓を目いっぱい与える。

私がヘッドコーチになり、イングランド代表の練習時間は一気に短くなった。密度の濃い練習を徹底的に行い、ダラダラと休む時間などない。練習が終われば合宿所で好きなことをして過ごしていいぶん、練習中は最初から最後まで、100%の力で挑むことを求めた。

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