不機嫌上司から身を守る「程よい距離の取り方」 自分の心に境界線を引いて、わがままに生きる

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上司の反応に極度に過敏になってしまう人へのアドバイスをお届けします(絵:ウラモトユウコ)
職場でいつもイライラしている上司を見て、「原因は自分にあるのでは?」と不安になっていませんか。うまく対処するにはどうしたらよいのでしょう。公認心理師・臨床心理士である谷地森久美子氏の著書『ふりまわされない自分をつくる 「わがまま」の練習 心の中に線を引けば全部うまくいく』を一部抜粋・再編集し、今回は後編として不機嫌な上司との距離の取り方を伝授します。
前編:「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応

朝目覚めると浮かんでくる「上司の表情」

とある日の午後、疲れきった様子で、カウンセリングルームにやってきたA子さんは、臨床心理士の私にこう言いました。

「朝、目覚めると、浮かんでくるんです。それは、いつもイライラしている上司の表情。そのたびに、嫌な気持ちになり、会社に行きたくなくなるんです」

休みたい気持ちをなんとかおさえ、出社してはみたものの、フロアーでその顔を見た瞬間、「やっぱり今日は来るんじゃなかった」と、恐怖と不安で心臓がドキドキ。

上司の反応に極度に過敏になってしまい、彼のため息や舌打ち、とがった声が聞こえてくるたびに、

『あれ、私、また何かミスをした?』

『それとも、きのうの提出案件、出来がまずかった?』」

まるで自分の落ち度で、相手がイラついているのではないか、そんな思いになるというのです。

「その重苦しさにたえられず、なんとかしなければと、動いてしまうんです。あれこれ気をつかい、様子を見、上司の機嫌がよくなると、ようやく自分もほっとする。この上司が自分の部署に異動してきてから、こんな毎日がつづいています。どうしたらよいでしょう?」

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