JR西「銀河」"昼の長距離特急"で見せた新たな顔 車窓の景色が移り変わり夜行にない魅力が満載

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JR西日本の長距離列車「ウエストエクスプレス銀河」。12月から昼の特急として走っている(記者撮影)

9月11日にデビューしたJR西日本の長距離列車「WEST EXPRESS(ウエストエクスプレス) 銀河」が、12月12日から新たな役割を担うことになった。

これまでは京都・大阪と出雲市を結び、下りは京都21時15分発・出雲市翌9時31分着、上りは出雲市16時00分発・大阪翌6時12分着という関西と山陰エリアを結ぶ夜行の特急列車だったが、12 月12日から3月11日までの3カ月間は、乗り入れ先が山陽エリアに変わる。さらに夜行ではなく昼行特急として、日中の時間帯を走ることになった。

運行スケジュールは下りが大阪7時19分発・下関19時45分着。毎週土曜、火曜に運行する。上りは下関10時38分発・大阪22時02分着。毎週日曜、木曜に運行する。

新型コロナウイルス感染拡大の観点から、当面の間、座席の販売数は定員の6割程度に抑えられる。乗車券はみどりの窓口では発売されず、日本旅行による旅行商品限定で、事前抽選方式の販売になる。後で乗客や関係者の間で感染者が出た場合、乗客にすぐ連絡するためには、乗客の連絡先を把握できる旅行商品のほうがいいという配慮だ。旅行商品のため、広島、宮島、湯田温泉、下関などでのホテル宿泊とセットとなる。12~1月分はすでに完売しており、抽選倍率は約8倍だったという。

「昼」ならではのおもてなし

銀河には寝台特急「サンライズ」に設けられているような「ノビノビ座席」があるほか、グリーン車指定席やグリーン個室も可動式の背もたれを倒してベッド状に転換できる。つまり、夜行での利用が想定されている。では、なぜ山陽区間に夜行仕様の列車を昼間走らせることになったのだろうか。

「途中の停車駅でのおもてなしを楽しんでほしいため」と、JR西日本の担当者がその理由を説明する。

下り列車は福山で46分停車する。駅構内で特産品などの販売が行われるほか、地元のボランティアガイドが駅のすぐ前にある福山城に関する説明をしてくれる。上り列車は柳井駅と倉敷駅に15分ずつ停車し、やはり地域の特産品の販売などのおもてなしが行われる。深夜の時間帯ではこうはいかない。

ちょうど12月末まで大型観光企画「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」が実施されており、自治体が風光明媚な観光地をPRするほか、JR西日本も観光型高速クルーザーや観光列車を運行している。日本旅行の旅行商品には広島など途中駅に宿泊するプランもあるので、大阪―下関間を乗り通すのではなく、途中で下車して観光を楽しんでもよい。。

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