危機打開なるか、欧州「ライバル鉄道」が共闘

コロナ禍で経営悪化、「線路使用料」減免求め

コロナ禍による経営危機で買収の噂もあったチェコのレオエクスプレス。コロナ第2波の襲来でこの先の経営が心配される(筆者撮影)

普段は常に火花を散らすライバル鉄道会社が、危機的状況を乗り切るため、ついに手をつないで共闘を始めた。闘いの相手は、ほかの鉄道会社や交通機関ではない。コロナウイルス、そして自国政府だ。

10月下旬、チェコのナショナルオペレーターであるチェコ鉄道と民間企業レギオジェット、およびレオエクスプレスの3社は共同で、アンドレイ・バビシュ首相とカレル・ハブリーチェック副首相(産業貿易相・運輸相兼任)に対し、列車運行に際して鉄道会社が支払わなければならない線路使用料について、コロナ問題が収束するまで一時的に全額免除するよう求めた。

同国内の鉄道インフラは、2002年12月末の国鉄解散により、2002年に列車運行を担うチェコ鉄道と鉄道インフラ局(SZDC)の2つに分離された。SZDCは2020年1月に鉄道局(SZ)へ組織変更され、国有財産である鉄道インフラを管理している。チェコ鉄道をはじめとする運行会社は、SZに線路使用料を支払って列車を運行する仕組みだ。

チェコの3社が線路使用料の免除を求める行動に出た背景には、欧州議会がEU加盟各国に対し、線路使用料の減免を許可する規制を正式に採択したことがある。

EUは「線路使用料減免」を認めている

10月7日に公表されたEU規制2020/1429号は、「コロナウイルスの流行によりヨーロッパ各国の鉄道輸送が著しく減少、経営に深刻なダメージを与えており、これは少なくとも2020年末、最悪のケースでは2021年までその影響は続いていく可能性が高い。これはもはや、鉄道会社が対応できる範疇を超えており、経営規模の小さな会社から倒産していく危険性がある」と指摘している。

そのうえで、「そのリスクを回避する手段として、透明性があり、平等に支援することができる方法として、EU指令2012/34号の下で支払いが義務付けられている線路使用料に対し、削減、放棄、もしくは支払いを延期する権限を与えるべきという結論に達した」と記している。

これが認められるとインフラ会社にしわ寄せが行くのではないかと思えるが、各国の鉄道インフラの大半は、国が保有しているか、国が100%出資する国営企業が保有している。

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