海外帰国者「公共交通利用せず」守られているか 空港から乗ろうと思えば乗れてしまう現状

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報道陣に公開された成田空港「PCRセンター」の検体採取スペース=11月2日、千葉県成田市(写真:時事)

11月以降、日本各地で新型コロナウイルスの感染状況が再び悪化している。原因は定かではないが、政府は「GoToトラベル」の対象から感染拡大が深刻な地域を除外するなどの対応を行っている。

一方、政府はコロナ禍が始まって以来、海外からの入国者、帰国者に対し、空港から所定の「自己隔離場所」まで公共交通機関を利用しないよう要請している。11月からは中国、韓国、台湾など一部の国からの入国者はウイルス検査が不要になったが、入国翌日から14日間の待機と公共交通機関を使わないよう要請している点は同じだ。

しかし実際には、羽田空港や成田空港から鉄道やバスなどを使って次の目的地へ向かう人も少なからずいるとみられる。入国後の動きは実質的に制限されておらず、そのような行動ができてしまう状況があるためだ。

筆者もコロナの入国制限がある中で英国から帰国し、検査や待機の期間を経て日本に滞在している。こうした実体験も加えながら、解決案について考えてみたい。

空港に着いてからの流れは

まず、日本の空港に着いた帰国者らの手続きはどのような流れになっているのか。

到着客は「入国拒否対象地域」の指定が解除されたごく一部の国から着いた人を除いて、唾液による検査を受けることになる。当初は長い綿棒を鼻に入れて検査する方法(鼻ぬぐい液の採取)が用いられていたが、現在は唾液による検査に切り替えられた。これによって検査時の痛みがなくなっただけでなく、結果が30〜40分でわかるようになり、大幅に能率が上がった。

検査結果は、陰性であれば「―(マイナス)」と記したステッカーを貼り付けた書類が入国者それぞれに渡される。これをもらうことができれば、その後の手続きはコロナ以前と同様、パスポートチェックを経て荷物を受け取り、税関を抜けて到着ロビーへ出るという流れとなる。

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