2030年代に「開業しそう」な首都圏新路線の現状 羽田アクセス線、大江戸線、多摩モノレール

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羽田空港アクセス線(仮称)では、りんかい線の車両基地の脇を通る計画で、この付近には待避線などが設けられることになっている(2020年4月筆者撮影)

首都圏の鉄道では、2022年に宇都宮ライトレールがLRT(次世代型路面電車)として開業するほか、2022年度下期には相鉄・東急直通線の開業が予定され、建設が進んでいる。これらの路線に続いて、2019年1月には横浜市営地下鉄ブルーラインの新百合ケ丘延伸が決まり、2020年1月には概略ルートと駅の位置が決定、2030年の開業を目指している。

このほかにも建設計画が進んでいる事例があり、JR東日本が進めている羽田空港アクセス線をはじめ、多摩モノレールの箱根ヶ崎延伸、都営地下鉄大江戸線の延伸が実際に建設に着手される可能性が高く、2030年代には開業しているのかもしれない。

環境影響評価手続きに入った羽田空港アクセス線

羽田空港アクセス線(仮称)は、JR東日本が既設の路線を活用して羽田空港方面のアクセス改善を行うもので、2019年5月には東京都に環境影響評価調査計画書が提出され、環境影響評価手続きに着手している。

羽田空港アクセス線では、東京貨物ターミナルから3つのルートが計画され、山手線・新宿方面に向かう西山手ルート、東海道線・東京方面に向かう東山手ルート、りんかい線方面に向かう臨海部ルートがある。このうち、環境影響評価調査計画書が提出されたのは東山手ルートで、東京貨物ターミナルから北側の約7.4kmは既存の貨物線を改良、南側の約5.0kmはトンネルで新線を建設する計画だ。事業費は3000億円台の数字が報道され、地下鉄なら数km、整備新幹線なら30km程度建設可能な費用がかかっている。

環境影響評価は環境アセスメントとも呼ばれるが、結果が出るまでに3年程度かかる見込みで、建設の着手は早くても2022年以降となり、開業は2029年頃とされている。現状では手続きが進んでいる段階で、現場のほうは何も手が加えられていないといってよい。

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