児童手当改正「共働きで支給ゼロ」家庭続出の訳

所得・家族構成によっては「年間42万円」減も

しかし2020年11月、政府がこの「特例給付」の廃止を検討しているというニュースが流れ、大きな反響を呼んでいます。

また単に月5000円を廃止するだけではなく、これまでは世帯で収入が多い人(1人)の年収が基準だったのを、世帯収入の合算(2人)に切り替えるといいます。

一億総活躍大臣の記者会見によれば、上記の2つの変更によって約900億円のお金が浮くため、それをなかなか減らない待機児童解消の財源にしたいという考えのようです。

支給額はどう変わる?

以下のような世帯であれば、今までと支給額は変わらず、年に42万円を受け取れます。

夫……年間所得500万円
妻……パート所得100万円
子ども13歳(児童手当 月1万円)
子ども10歳(児童手当 月1万円)
子ども8歳(児童手当 月1万5000円)

夫の扶養家族が3人いるため、夫婦で合算した年収が600万円で、所得制限内となり、満額受け取ることができます。

次のような世帯ではもともと特例給付部分のみですが、それでも年間18万円が家計に入ってこなくなります。

夫……年間所得1200万円
妻……専業主婦
子ども5歳……(児童手当 特例給付 月5000円)
子ども3歳……(児童手当 特例給付 月5000円)
子ども0歳……(児童手当 特例給付 月5000円)

そして以下のような共働き世帯では、これまで夫だけで判断されていた収入を世帯で合算されるようになると上限を超えてしまうため、年間42万円が家計に入ってこなくなってしまうのです。

夫……年間所得500万円
妻……年間所得350万円
子ども5歳……(児童手当 月1万円)
子ども3歳……(児童手当 月1万円)
子ども0歳……(児童手当 月1万5000円)
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