YouTube知り尽くす2人が語る市場の劇的変化

UUUMの鎌田社長とはじめしゃちょーを直撃

UUUMの鎌田社長(左)とユーチューバーのはじめしゃちょー(撮影:梅谷秀司)
ユーチューブでの動画投稿を続けること8年のはじめしゃちょーと、ユーチューバーなどクリエーターのマネジメント事務所・UUUMを創業し、7年間経営の舵を取ってきた鎌田和樹社長。激変するユーチューブ市場のど真ん中を歩んできた2人に、自身と業界の展望を聞いた。

――UUUM創業時と現在でユーチューブを取り巻く環境はどう変わりましたか?

鎌田和樹社長(以下、鎌田)コンテンツの作り手と内容、両方のバリエーションがかなり広がった。最初はHIKAKIN(ヒカキン)やはじめしゃちょーのように、1人でいろいろなネタを手がけるユーチューバーが脚光を浴びた。そこに複数人のグループ型ユーチューバーやバーチャルユーチューバーが出てきて、コンテンツ面ではガジェット系から、美容、旅行、釣りといったジャンル特化型へ広がっていった。老若男女に視聴者の裾野が広がったからこその変化だと感じている。

企業がユーチューバーやその事務所に向ける目も劇的に変わった。創業当時、真夏も真冬もあちこち営業して個人が発信する動画の影響力について語って回ったけど、「どこぞの個人になんでお金を出さなきゃいけないんですか?」という反応ばかりだった。

それが今は、動画で商品紹介をしてほしい、テレビCMに出てほしいと、たくさん声がかかる。直近では日本コカ・コーラの「東京2020」関連の案件なども経験させてもらい、社会的な信頼を勝ち取れてきたのだと実感する。

――わずか数年でこれだけの変化が起こった要因は?

鎌田ひとえに、ユーチューバーたちの頑張りではないか。全然見られなくても、儲からなくても、自分が楽しいからやるというクリエーターが根気強くコンテンツを増やしていったことで、視聴者の関心が高まり市場が形成された。

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個人でも自由な表現で活躍できる、それを生活の糧にできるんだと、「ジャパニーズ・ドリーム」みたいなものを見せてくれた。だから、あこがれの職業として子どもたちの人気も得ているのだと思う。

会社としてできたことを挙げるなら、株式上場するなど社会的信頼を得る努力をしたことか。ユーチューバーはどうしても、クレジットカードを作れない、家を借りたいのに審査がおりないといったことがザラだった。

今は(所属先がUUUMであることを保証に)そういう不便を徐々に解消できている。広告主企業とユーチューバーとのハブ機能を果たすうえでも、企業としての社会的信頼は重要だ。

芸能人がユーチューブを主戦場に

はじめしゃちょー(以下、はじめ)僕は「マルチクリエイター」と言われることが多いけど、自分でそう名乗ったわけではなく、ジャンル特化のユーチューバーが増える中でそう呼ばれるようになった。自分が変わったというより、周りの環境が変わったと感じる。

最近の大きな変化は、テレビで活躍する芸能人がユーチューブにどんどん入ってきたこと。ユーチューブを主戦場にしてきた僕らからすれば、今までユーチューブをあまり見なかった人を連れてきてくれたのは非常にありがたい。

ただ、チャンネルが増えれば当然競争は激しくなる。ヒカキンさんや僕のような長年やってきたユーチューバーはさておき、これから頑張っていくぞというタイミングのユーチューバーにとっては、大きな脅威になると感じる。

――自身の動画の見られ方には変化を感じますか?

はじめ自分の場合、実はあまり細かい分析をしていないのでわからない部分も多い。ただ7年もやっていると、見ている人も僕と一緒に歳を取っていく。

昔はよくコメントくれたあの人、最近は疎遠になってしまった、とか、「就活中です、応援してください!」と言っていた人が、「就職先が決まりました!」と報告をくれたあと音沙汰なし、とか、生活や視聴習慣の変化を感じる。一方で、今新しくファンになってくれる人もいるので、悲観はしていない。出ていく人がいれば、入ってくる人もいる。

本記事の続きはこちら。このほかに『東洋経済プラス』に掲載しているインタビュー全文版では、「激変するユーチューバーの稼ぎ方」「退所するユーチューバーが相次ぐことにUUUMはどう向き合うか」「はじめしゃちょーがユーチューバーとしての今後のキャリアに抱く不安と希望」など、2人が詳しく語っています。
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