織田信長「桶狭間の戦い」前夜に見せていた奇策 因縁の強敵・今川義元とどのように戦ったのか

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信長は、天才だったのか? それともバカだったのか?(イラスト:えのすけ/PIXTA)
〝終わりの見えない戦乱の世──戦国時代〟は、ある面で現代と似ています。
そんな激ヤバな時代を生き抜いた武将たちのエピソードが、現代の私たちの参考にならないわけがありません。それに、過酷な時代をフルパワーで駆け抜けた彼らは、現代で言えば、「バズること」と「炎上する」ことしかやってないんです。
そこにあるのは、失敗も成功もバズりも炎上も書いてある、生きた教科書。
「『桶狭間の戦い』が今も歴史に深く刻まれる意味」(2020年10月28日配信)に続いて、お笑いコンビ「ブロードキャスト!!」のツッコミ担当で、歴史の「超現代語訳」で知られる房野史典さんの新著『13歳のきみと、戦国時代の「戦」の話をしよう。』より、「桶狭間の戦い」章の一部を抜粋、再構成してお届けします。

信長が対峙したのは今川義元というバケモン大名

【桶狭間の戦い】パート2です。

では、前回のおさらい。

昔、尾張という国に、織田信長という〝うつけ(超バカ)〟がいましたとさ。
      ↓
しかし、そのうつけ、実はすごいやつ。
      ↓
なんと尾張国をほぼ統一しちゃいます。が……
      ↓
今川義元というスーパー大名が尾張に攻めてくるらしい……!!

終わりました。

いや、まだ始まってもいませんが、終わったも同然です。

今川義元=バケモン大名。

尾張国を統一するかしないかという、足元おぼつかない信長に対し、義元が支配する国は3つ。

駿河国(静岡県中部・東部)、

遠江国(静岡県西部)を持ち、

三河国(愛知県東部)も従わせてる大大名です。

そんな、〝海道一の弓取り〟(東海道で一番の大名)という異名を持つ義元自身が、大軍をひきつれて尾張国に攻め込んでくるというんですから、ヤバいなんてもんじゃありません。いや、ヤバいなんてもんです。

ドラマで言えば──設定は「部活」でも「町工場」でもなんでもいいんですが、

「あんなにバラバラだったチームがやっと1つにまとまった。しかし、喜びもつかの間、新たに巨大な敵が出現……!」

という、前半パートのクライマックスシーンみたいなもんが、このときの状況(個人の見解です)。

ただ、ここで1つ注意点。

今川義元は、〝新たな敵〟ではなく、パパ・信秀のころからの、

〝因縁の相手〟

なんですね。

だからね、すでにね、織田と今川って、ちょこちょこ戦ってんの。

次ページ父・信秀の死後に一部の家臣が信長を裏切っていた
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