鬼滅の刃、JR東&九州が「リアル無限列車」で競演 注目ポイントは東日本が客車内、九州は機関車

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リニューアルは4~6月の「群馬デスティネーションキャンペーン」に合わせて実施されたが、新型コロナの影響で運行開始が秋にずれた。7~9月に走らなかったのは、「古い客車なので空調設備がない」(JR東日本)から。夏は暑いが今の季節なら窓を開ければ心地よい風が車内に吹き込んでくる。煙の匂いでSLに牽引されていることも実感できる。なお、SLぐんまに使われるSLはD51とC61の2種類があり、日によって出番が変わるという。

旧型客車の車内。無限列車の世界観にマッチする(記者撮影)

JR東日本は東京から高崎までの交通手段にも工夫を凝らした。目的地に早く着くなら新幹線が便利だが、在来線では「リゾートやまどり」に車内装飾を施した特別列車も仕立てて上野と高崎を結ぶ。所要時間は2時間以上で新幹線よりも時間はかかるが、その分、じっくりと鬼滅の刃の世界観にひたることができる。

JR東日本に鬼滅の刃の製作サイドからコラボの打診があったのは今年1月。「SLの客車内の雰囲気が無限列車の世界観に合っているということでお話をいただきました」と、JR東日本の担当者がコラボのきっかけについて話す。SLを活用した地域振興に力を入れているJR東日本にとっては願ってもない提案だった。

実は群馬県には、鬼滅の刃において重要なモチーフである「藤の花」の名所が多数ある。春の開花シーズンにあらためて群馬を訪れれば、また違った楽しみ方ができる。

九州では特急列車のコラボを開始

このコラボSLは全席指定で10~11月はすでに予約で満席、12月についても受け付け開始と同時に予約が殺到しそうだ。その意味では乗るのが難しい列車だが、乗車するための裏技がある。

主要キャラクターのコスプレをしてコラボSLの前で敬礼するJR東日本の社員たち(記者撮影)©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

SLぐんまは高崎―横川間を走る「SLぐんま よこかわ」と、上越線・高崎―水上間を走る「SLぐんま みなかみ」の2タイプがある。今回のコラボはJR東日本のほかに、横川駅の名物駅弁「峠の釜めし」を製造する荻野屋、横川駅に隣接する「碓氷峠鉄道文化むら」も参加していることから、コラボ列車が運行するのは高崎―横川間のみ。

つまり、高崎―水上間においてコラボ列車は運行しないのだが、SLは走る。「鬼滅の刃のヘッドマークは付けないが、旧型客車で走るのでコラボ列車の雰囲気が味わえます」(JR東日本)。

一方、九州では、一足先に「ソニック」「かもめ」といった特急列車が鬼滅の刃のコラボ列車として走っている。

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