ボッシュ「2輪車運転支援」のとてつもない実力 前走車追従、衝突予知警報、死角検知を備える

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アドバンストライダーアシスタンスシステム(ARAS)を搭載したボッシュの試作車と筆者(筆者撮影)

2輪車(2輪自動車)は、シートの上にまたがり燃料タンクを挟み込むこと(ニーグリップ)で、身体と車体を一体化させ安定させる。これが基本的な乗車方法。しかし4輪車のようなボディがないことから、ひとたび事故に遭遇するとライダーは地面に放り出され、大きな怪我を負ってしまう確率が高まる。

今でこそ、車輪のロックを防ぎ、転倒を抑制しつつ減速させるアンチロックブレーキ(ABS)が2輪車にも一般化し、発売年次や搭載するエンジン排気量に応じて日本でも義務化がスタートしたが、それにしても2輪で走行する乗り物である以上、転倒のリスクは高いままだ。

世界的な部品供給メーカーであるボッシュ(ドイツ)が開発した「アドバンストライダーアシスタンスシステム(ARAS)」は、こうした2輪車による事故の可能性を遠ざける目的で開発された。

事故の可能性を遠ざける方法としてボッシュのARASでは、迫り来る危険をライダーに伝えて回避動作を促すとともに、ライダーの快適性を高めるシステムを用いて安全性を向上させる、この2つを目的に掲げた。

転倒多数もプロテクターでほぼ無傷

一般財団法人・全日本交通安全協会の「2輪車安全運転推進委員会 指導員」である筆者は、2輪車に乗り始めて32年が経過した。教習所に通い中型2輪免許(当時)を取得。その後、試験場での限定解除に臨み(いわゆる一発試験)、無事に大型2輪免許を手にした。

これまで通学から通勤、仲間とのツーリング、サーキットでのアマチュアレース参戦と走行距離を伸ばした。ざっと計算してみると、2輪車に乗り走った距離はおよそ地球3周分。

その間、サーキットでは転倒多数だったが、各部に丈夫なプロテクターの入った革つなぎのおかげで身体はほぼ無傷。これには、頭の形状に合わせたヘルメットの存在も大きい。

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