「日本人に起業は困難」が思い込みでしかない訳

グーグルもフェイスブックも画期的じゃない

GoogleもFacebookも画期的なアイデアでないのだから「自分は起業できない」の思い込みは捨てていい(写真:NanoStockk/iStock)
予想もしなかったことが次々と起きる今、これまでの常識を当たり前と思い込んでしまう態度は、最大のリスクでしかありません。10月8日に『稼ぐ人は思い込みを捨てる。』を発売した著者の坂口孝則さんがビジネスの現場で感じてきた「思い込みの罠」とそこから自由になることのおもしろさをご寄稿くださいました。

3万円くれたら何でもやります

私はコンサルタントで企業に入り、プロジェクトを組んで目標達成に猛進する。この仕事をはじめて10年になろうとしている。私は思い込みがあった。コンサルタントになる前は、自分の知識と理論があれば解決策を導けると思っていた。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

困っている人がいる。解決策を与える。しかし、現実は違った。というのも、困っている人はいないのだ。奇妙に感じるかもしれない。困っていたり問題意識を有したりしているのは企業のトップだ。現場には問題意識はさほどない。

トップから「困っている」と聞かされて、現場に入ると「困っていない」といわれる。だから最初の仕事は、現場の社員に理解してもらうところからはじまる。いや、極端な話、動いてもらうのが大半の仕事になる。

そして、もはや古い手法ではあるが、現場の社員と打ち合わせや食事を重ねると、じょじょに本音を話してくれるようになる。そこで私が「なぜそんなに非協力的なんですか」と質問する場合がある。すると「やっても給料があがらないから」といわれる。

これは素直な意見で尊重するべきだ。あくまで一人ひとりの社員は自分の合理性で動いている。経験は給料よりも貴重だ、という意見には私も納得するものの、大半はそうではない。

私は続けて「それなら、いくら給料があがったらやるんですか。部長か役員に私が相談してみましょうか。少なくとも、匿名でそのような意見があったと言ってみましょうか」と提案する。そうすると口ごもったあとに「そうですね……。じゃあ月に3万円とか5万円とか」といわれる。

私は3万円とか5万円が取るに足らない金額とは思わない。しかし、その差がゆえに、仕事をやりたくない、とは思わない。これも私の思い込みで、ちょっとのインセンティブで人は動いたり、動かなかったりするのだ。

次ページ自分に起業はできない、という根拠ない確信
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 財新
  • 実践!伝わる英語トレーニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
ホンダ「4代目フィット」がイマイチ売れていない理由
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
京セラのガラパゴススマホ「トルク」がたどり着いた境地
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「人のために働く職業ほど低賃金」な根深い理由
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
「半導体パニック」自動車産業に与える巨大衝撃
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
激動相場に勝つ!<br>株の道場

6月18日発売の『会社四季報』夏号が予想する今期業績は増収増益。利益回復に支えられる株価が上値を追う展開になるか注目です。本特集で株価が動くポイントを『会社四季報』の元編集長が解説。銘柄選びの方法を示します。

東洋経済education×ICT