ワークマン、紳士服量販店を頼る百貨店の異変

大量閉店が相次ぐアパレルにはもはや頼れない

10月に渋谷ヒカリエでワークマンが開催したファッションショー(写真:ワークマン)

「売り場が埋まらなくて困っている。出店してくれませんか」――。

 この夏、ある紳士服量販店のもとに、地方百貨店から急な依頼が舞い込んだ。5月に経営破綻したレナウンなどが紳士服売り場から撤退、その後に入居するブランドが決まらないのだという。

青山商事を筆頭とする紳士服量販店と百貨店は、これまでしのぎを削ってきた間柄だ。そんな往年のライバルからの懇願に、紳士服量販店の幹部は「人件費など固定費の負担が最小限に抑えられる条件なら出店もあり得る」とまんざらでもない。

作業服チェーン大手にもオファー

同じく「コロナ以降、百貨店から出店オファーが来るようになった」と明かすのは、ワークマンの土屋哲雄専務。同社の既存店売上高はコロナ禍でも前年超えを維持しており、破竹の勢いで成長を続けている。店舗は路面店が中心だが、直近はショッピングモールからの出店依頼が引きも切らない。

結局、売り場の運用や採算面で細かい条件が折り合わず、百貨店への出店は見送ったという。建設作業員などのプロ客から一般客にまで顧客層を広げているとはいえ、「作業服チェーン大手」と称されるワークマンにまで声をかけ始めているのだから、百貨店からの要請はまさに異例だ。

なぜ、百貨店がこれまで見向きもしなかったプレーヤーに声を掛け始めたのか。EC(ネット通販)の成長や専門店のシェアが拡大する一方で百貨店の衣料品販売が減り続けており、その百貨店を主販路としてきた名門アパレルが軒並みリストラに奔走し、退店が後を絶たないからだ。蜜月だったはずのアパレルと百貨店の関係にいま何が起きているのか。

『東洋経済プラス』は「アパレル生存競争」として以下の記事を掲載しています。
終わりを迎えたアパレルと百貨店の蜜月
【インタビュー】三陽商会社長に直撃
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