レオパレス、スポンサー決定でも茨の道の理由 賃料減額交渉、資金支援は金利14.5%という重荷

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レオパレスは入居率の回復が急務だ。写真は東京都中野区のレオパレス21の賃貸アパート(記者撮影)

建築した賃貸アパートの施工不良が発覚したレオパレス21。9月末にスポンサーが決まったと発表されたが、地に墜ちたブランドイメージ再生の足がかりは、いまだつかめていない。

そのレオパレスは10月9日、注目すべき数字を発表した。9月時点の入居率は78.09%にとどまったのだ。

目標入居率の達成は絶望的に

同社のビジネスモデルは、賃貸アパートの貸し主(オーナー)から賃貸物件を一括して借り上げ、入居者に転貸するサブリース業だ。オーナーにまとめて固定賃料を支払っているため、入居者が一定数を下回ると、オーナーに支払う賃料が入居者から受け取る賃料を上回る「逆ザヤ」状態になる。損益分岐点となる入居率は80%で、それを下回ると現金の流出が続くことになる。

2021年3月期は施工不良問題の影響に加えて新型コロナウイルスが直撃。賃貸アパートをまとめて借り上げる法人向け需要がふるわない。頼みの綱の外国人需要も蒸発し、5月に80%を割り込んだ入居率は8月には78.18%と過去最低を更新し、9月はそれをさらに下回った。

同社経営企画部の竹倉慎二部長は「足元では法人契約は戻ってきている」というが、2021年3月期の目標として掲げた平均入居率81.63%(2020年3月期実績は80.78%)の達成は絶望的な状況だ。

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