フランス人「旅行の仕方」はこんなにも変わった 海外で長期バカンスから一転、国内旅行を満喫

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毎年バカンスを楽しむフランス人は、コロナ禍の今夏はどのようにして休暇を過ごしたのでしょうか?(写真:samael334/iStock)

多くのフランス人にとって「バカンス」は、1年の中で最も重要なときです。フランス人は休暇のために働いていると言っても過言ではありません。とくに夏には、家族連れで少なくとも2、3週間、あるいは1カ月もの間どこかに出かける「グランドバカンス」(7月か8月)があります。

通常、8月のパリにはパリジャンはいません。ほとんどのフランス人は海外旅行が大好きで、最近ではヨーロッパ以外で最も人気の行き先として日本が挙げられており、私は非常にうれしく思っていました。

フランス政府が求めたこと

ですが、今年はこの光景が様変わりしました。

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新型コロナウイルス関連の規制によって、旅行ができるのかどうか、休暇に出かけられるのかどうか、直前までまったくわかりませんでした。ロックダウン中には旅行・移動がまったくできなかったうえ、その後は自宅から100キロ以内という移動範囲の制限が課せられていたのですから。

いまだ規制は続いており、ウイルスもはびこっているなか、人々はこのバカンスという非常に大切な時間に関する決断を土壇場で行いました。政府は国民に、フランス国内にとどまりフランスの地方に旅行すること、「ブルー、ブラン、ルージュ(青、白、赤)」(トリコロール、フランス国旗つまりフランスを意味する)の旅をするよう求めました。

この理由の1つは、ウイルスの状況が悪化した場合にすぐに対応するため、そしてもう1つは、直接フランス経済を支援するためです。結果、フランス人の半数以上にあたる53%が7、8月に休暇旅行に出かけました(2019年は71%)。さらに旅行に出かけた人の94%がフランス国内を旅行しました。

フランスは30年以上にわたり、外国人観光客を最も多く受け入れている国として知られています。フランスの人口がわずか6500万人のところ、2019年の外国人観光客は9000万人以上でした。

外国人観光客がフランスを好む理由は、その多様な景色にあります――パリのような都市や美しい田舎、地中海、山――フランスはどこを訪れてもフォトジェニックです。それだけでなく歴史的、文化的、芸術的遺産(城、教会、博物館など)があり、もちろん美食もあります。とくにパリはつねに外国人観光客に愛される世界随一の都市でもあります。

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