定期券、1駅延ばして「通勤時間を短縮する」裏技 急行停車駅まで戻ったほうが早く着くことも

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定期券の区間を手前の急行停車駅まで延ばしておき、一度折り返したほうが目的地に早く着けるケースがある(写真:Graphs/PIXTA)

大学生のころ、東武東上線の下赤塚駅から通う仲間にこんな話を教えてもらった。それは各駅停車しか停まらない下赤塚から池袋へ行く場合、1つ隣の成増へ戻って急行または準急に乗り換えたほうが、池袋に早く着くことがあるというものであった。

もちろん、この場合は成増へ1駅戻る分と、そこから池袋への運賃が必要だ。だが、もしこの方法が早いのであれば、定期券ならいくらかの差額追加で区間を1駅延ばし、急行などに乗り換えることによって通勤時間を短縮できるではないか。定期券区間外の「折り返し乗車」は不正だが、区間を延長すれば問題ない。

場所にもよるが、急行停車駅より各駅停車のみの駅周辺のほうが家賃が安いケースも多い。というわけで、いくらかの差額追加で定期券の区間を延ばし、折り返し乗車による急行・快速利用で便利になる例を挙げてみたい。

どんな駅が当てはまる?

急行などの停車駅まで戻ったほうが早くなる主な条件は下記のようになる。

1:戻る駅までの所要時間が短い
2:都心のターミナルまでの駅数が多く、かつ、途中駅で速達列車への連絡がない
3:都心のターミナルまでの駅数が多く、かつ、途中駅で速達列車の通過待ちがある
4:戻った駅での乗り換え時間が1〜2分程度である

1と4は当然だろう。急行停車駅まで行く際や、乗り換えのために時間がかかっては意味がない。2・3は、簡単にいえばターミナル駅まで行く場合に途中で急行などに乗り換えできず、しかも追い抜かれるということだ。各駅停車しか停まらない駅でも、都心のターミナル駅から離れている場合は途中の駅で急行などに乗り換えられることが多い。この場合は戻るとかえって時間のロスになる。

この4条件すべてに当てはまる駅はありそうで意外にないが、今回は首都圏の路線で朝ラッシュ時に使える数例を紹介する。

次ページまずは冒頭の東武東上線の例から
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