「GoToトラベル」北海道周遊で見た観光の現状 批判の一方、助かっている宿泊・飲食施設も多い

✎ 1〜 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 17 ✎ 最新
拡大
縮小
人けのない北海道の小さな町。GoToキャンペーンで客足がある程度回復したという宿泊施設関係者は多かった(筆者撮影)

7月から始まった、政府による観光支援策「GoToトラベル」キャンペーン。鉄道事業者は補助金を活用した安価なきっぷを発売、NEXCO(高速道路)でもETC割引などで旅行需要の喚起を促している。

今年はコロナ禍により、Jリーグも少なくとも9月末までアウェイ席を設置しないこととなった(私はジェフ千葉を応援しており、例年アウェイ試合に出かける)。そこで9月に遅い夏季休暇を取得し、十分感染対策を行ったうえで旅に出ようと思い立った。一人旅なら道中で人と会話することも少ない。今回は8日間かけて北海道を巡ることにした。

このキャンペーンは当初8月以降に開始予定であったが、7月22日に前倒ししたこともあり、コロナ禍の収束が見えない中で批判の声も多かった。今回は都会や繁華街は避け、なるべく人の少ないエリアをまわる、という方針で出かけた。そのため印象に偏りはあるが、飲食店や宿泊施設の声を聞くに、キャンペーンは一定の効果があると実感した。

「GoTo」どう使えばいい?

GoToトラベルキャンペーンとは、観光庁サイトによると

・国内旅行を対象に宿泊・日帰り旅行代金の2分の1相当を支援
・給付額のうち、7割は旅行代金の割引、3割は旅先で使える地域共通クーポンとして付与
・1人1泊当たり2万円が上限、連泊や利用回数の制限はない。

とある。しかし利用者としては使い方がわかりにくいのが事実だ。列車や飛行機を自身で購入したものは対象外、個人で予約した宿から宿泊証明書をもらって事後申請する場合は、8月31日(9月1日チェックアウト)までが対象で、すでに終了している。

結局は楽天トラベルやじゃらんといった宿泊サイト、JTBや日本旅行などの旅行代理店から申し込むのが楽だ。自身で手続きをせずとも自動的に適用される。実際、今回自らGoTo適用プランを実施していた宿泊施設はほぼなく、宿泊証明書は出したものの、大半が宿泊サイトからの予約だったと聞いた。

次ページ破格の6日間パスで北海道を周遊
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT