あえて「住まいを固定しない選択」が増える理由 定額制や減額制などさまざまなサービスが登場

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これまでもいわゆる“マンスリー賃貸”といわれるものはあった。ただ、それとの最も大きな違いは、「Web完結」である点だ。OYO LIFEでは、物件を自社で借り上げて管理し、自社で入居者を募集する。そのため、入居者はスマホで簡単に物件検索から予約、支払いまで完結することができる。入居の手続きは最短なら15分で終わるという。

また、これまでのマンスリー賃貸の利用者といえば、長期出張や研修の宿泊などのビジネスユーザーというイメージだったが、OYO LIFEの利用者を聞くと、気軽に都心に住んでみたい人やフレキシブルな仕事で自由に住み替えたい人(アドレスホッパー)などさまざまだという。

現在OYO LIFEが提供している物件は首都圏の1都3県のみで、一軒家やシェアハウスのタイプもあるが、マンションが圧倒的に多い。試しに検索してみると、都心部から郊外エリアまで満遍なく物件が探せる。都心部の人気スポットを住み替えるといったことも可能なようだ。

最近では、コロナ禍でテレワークが普及した結果、住む場所が選べるようになったが、逆に決められないという人も増えているという。実際に住んでみないと決断できないといった人たちに、住み替えの自由度を提供しようと、トライアルで「OYO LIFE 住み放題」のサービスを提供した(8月25日応募締切)。これは、定額毎月10万・12万・15万円で6カ月の間に1カ月単位で最大3回住み替えができるというもの。各コース先着10人だが、全コース、すぐに予約が埋まったという。

定額制で多拠点居住を促進

次に紹介する事例は、「住まいのサブスク」として注目されているADDressだ。定額制(月額税別4万円から)の年間契約で、ADDressが運営するすべての物件を利用できる。年間契約ではあるが、2カ月前に申し出れば中途解約ができるので、最短期間は3カ月ということになる。

住まいのサブスクとして知られるADDress(写真:ADDress提供)

なお、定額で住み放題ではあるが、同時に予約できるのは最大14日間まで(予約日数を消化するごとに追加予約が可能)で、同じ個室の連続予約は7日間まで(個室を利用中に後ろが空いていれば最大14日間まで予約可能)という制限がある。こうした制限を設けているのは、多くの人にいろいろな場所に住んでほしいからだという。

会員になる際に必要となるのは、こちらも身分証明書とクレジットカードが基本。ただし、ADDressでは入居者相互や地域住民との交流を重視しているので、そうした生活が向いているかどうか、オンラインの面談による審査を実施している。

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