2025年、日本が「大阪」に救われることになる訳 万博、IR、都構想でがぜん盛り上がり始めた

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「大阪・関西万博」の開催予定地となっている人工島・夢洲(ゆめしま)(写真:ISO8000 /PIXTA)

大阪都構想で2度目の住民投票が11月に実施される。2025年に万博開催、同時期に日本初のカジノ付き統合型リゾート(IR)が待ち構える。大阪の熱気が今ジワジワ高まっている。『大阪が日本を救う』を執筆した日本総合研究所マクロ経済研究センターの石川智久所長に聞いた。

万博の経済効果はオリンピックの比じゃない

──もう“地盤沈下”ではない?

確かにこの50年、その汚名に慣れきってるフシがありました。だけど近年、大阪は自分たちの希望が全部通っちゃってる状況なんです。25年の「大阪・関西万博」しかり、ずっと空き地だった中之島の阪大医学部跡にできる未来医療国際拠点しかり、「京都しか世界遺産にならへんで」とあきらめていた「百舌鳥(もず)・古市古墳群」の世界遺産登録しかり。

今度は計画中のプロジェクトに優先順位をつけなきゃいけないという、過去経験したことのないうれしい悲鳴状態です。2025年は大阪再興のラストチャンスかもしれない、これを逃すとヤバいから頑張ろうという勢いが感じられるようになった。

──コロナ終息後の大阪に自信を持っている、と宣言されてますね。

はい。万博の開催地は大阪駅から10キロメートル圏の人工島・夢洲(ゆめしま)ですが、大阪・関西万博と名称に“関西”が入ってる意味は大きい。今までは関西全体で連携して盛り上がろうという意識が乏しかった。関西でIRの講演をすると、京都人などは「大阪はまた金の話」とそっぽを向く。ところが万博の話になると、京都も神戸も「絡みたい」って意欲が伝わってくるんです。

1970年大阪万博の大成功の記憶は鮮烈です。半年間にわたる万博は、1カ月開催のオリンピックを上回る経済効果をもたらす特別な祭。例えば日本総研では、東京2020オリンピック・パラリンピックの経済効果6000億円に対し、大阪万博は1.5兆円と試算しています。地域経済にもたらすインパクトは東京の比じゃない。

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