理系大学院生が内定企業への入社を決める瞬間 社員のコミュニケーション力が志望度を高める

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5月の内定が10%と少ないのは緊急事態宣言発令中の影響であり、6月に18%に上昇したのは、緊急事態宣言が5月25日夜に解除されて採用活動が正常化したとともに、政府主導の就活ルール「6月1日 採用選考解禁」を迎えたためだろう。

「入社予定企業からの内定(志望の確定)」の時期は、「1社目の内定」から少し遅れる。「修士2年2月」から増え始め、「修士2年4月」で22%になっている。そして5月は14%と減少し、6月に29%とピークを迎えている。5月の減少もコロナ禍の影響で説明でき、おそらく今年だけの現象であろう。

今回の調査では、7月時点での取得内定数「0社」が6%、「1社」40%、「2社~10社以上」が5割強である。つまり、半数以上の学生は、複数の内定企業から入社企業を選ぶ。その理由を見てみたい。

最も多いのは「事業内容」

「内定承諾の決め手(複数回答可)」で最も多いのは「事業内容」の62%。次いで「仕事内容(自分の専攻やスキルが活かせる)」が55%、「企業規模」と「社風」46%、「安定性」45%、「福利厚生」43%と続く。「事業内容」や「仕事内容」は文系でも重視される項目だ。ただ理系の「仕事内容」は「自分の専攻やスキルが活かせる」点を重視している。文系の場合は専門性を評価して採用する企業はほとんどないので、「仕事内容」では「やりがい」などのワードが使われる。この点は大きな違いだろう。

また文系では勤務環境や条件を挙げる学生が目立つが、理系では少ないように見える。「勤務地」「成長性」は3割台だが、「給与体系」は24%、「転勤の有無」12%、「休暇取得状況」12%、「残業時間」11%などの項目は低い。勤務条件よりも仕事ベースで入社企業を選ぶのが理系の特徴らしい。

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