「右翼」と「左翼」何がどう違うか説明できますか

歴史に即してより具体的に知らなければ難しい

「右翼」と「左翼」の違いをきちんと理解しているでしょうか?(写真:CAPTAIN_HOOK/iStock) 
インターネット上で飛び交う、「ネトウヨ」「パヨク」といったワード。しかし、そもそも「右翼」「左翼」の違いをきちんと理解しているのでしょうか? 評論家、浅羽通明さんの著書『右翼と左翼』は、フランス革命から現代へといたる歴史をひもときながら、その定義や「ねじれ」を鮮やかに解説した1冊。知らないで使っていると恥ずかしい、「右翼」「左翼」という言葉の本当の意味がわかる本書から、一部をご紹介します。

「右」と「左」の基本思想

ようやく「右、右翼」と「左、左翼」の本質、根幹がある程度、体系的に見えてきたようです。この基本的な「体系」を簡潔に説いたものとして、朝日新聞社刊『朝日現代用語知恵蔵』2006年版、「日本政治」の章、「左翼/右翼」の項目があります(執筆は山口二郎氏)。これも参考にしてまとめてみましょう。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

「左」「左翼」は、人間は本来「自由」「平等」で「人権」があるという理性、知性で考えついた理念を、まだ知らない人にも広め(「啓蒙」)、世に実現しようと志します。これらの理念は、「国際的」で「普遍的」であって、その実現が人類の「進歩」であると考えられるからです。

ですから、現実に支配や抑圧、上下の身分、差別といった、「自由」と「平等」に反する制度があったら、それを批判し改革するのが「左、左翼」と自任する人の使命となります。ゆえに多くの場合、「改革派」「革命派」なのです。

また、そうした改革、革命は、支配や抑圧、身分の上下、差別によってわりを食っていた下層の人々の利益となるはずです。ゆえに「下層階級」と結びつきます。以上の前提には、「政治や経済の仕組みは人間の手で作りかえることができる」という考え方があります。

対するに「右」「右翼」は、「伝統」や「人間の感情、情緒」を重視します。「知性」や「理性」がさかしらにも生み出した「自由」「平等」「人権」では人は割り切れないと考えます(「反合理主義」「反知性主義」「反啓蒙主義」)。

ゆえに、たとえそれらに何ら合理性が認められないとしても、「長い間定着してきた世の中の仕組み(「秩序」)である以上は、多少の弊害があっても簡単に変えられないし、変えるべきでもない」と結論します。

次ページ「右、右翼」と称する人とは
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • コロナ後を生き抜く
  • ブックス・レビュー
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • あの日のジョブズは
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
現場に厳しく、幹部に甘い<br>日本郵便・社員大量処分の杜撰

かんぽ生命の不適正販売をめぐって、社員の大量処分が進んでいますが、その現場からは不満の声ばかり聞こえてきます。営業現場に責任を押し付けるのではなく、日本郵便の本社・支社、かんぽが自らの非を認める日はいつ訪れるのでしょうか。

東洋経済education×ICT