バフェット氏が5大商社に価値を見出した理由

割安、低リスクを考慮?さらなる投資の可能性も

伊藤忠商事はもともと、非資源事業に強い。自動車ディーラーのヤナセや青果のドールなど幅広い業態の子会社を持つ。2020年8月には、株式の非公開化を目的に傘下のファミリーマートに対してTOB(株式公開買い付け)が成立した。今後、経営への関与を深め、テコ入れを図るとみられる。

足元は各社ともに、世界景気の後退と新型コロナの影響を受けている。例えば2019年度に純利益5353億円を計上した三菱商事も2020年度は純利益2000億円と、前期に比べて利益が半分以下になる見通し。

だが、楽天証券の窪田氏は「世界景気に陰りが見え始め、コロナショックが追い打ちをかけるまでは商社業界は絶好調だった。今期も(住友商事以外は)赤字見通しではない」と、底堅い業績であることを強調する。

世界経済が回復基調に転ずれば、総合商社各社も勢いを取り戻す可能性が高い。先出のマネックス証券の岡元チーフ・外国株コンサルタントは「バフェット氏は(5大商社株を取得すれば)世界、日本経済の回復を取り込めると判断したのだろう」と語る。

商社の投資が「分散投資」になる

商社は幅広い産業に関わっているからこそ、「商社に投資すること自体が分散投資になる」との見方もある。「各社とも得意とする領域は異なっており、分散投資という観点から5社への投資を決めた可能性がある」(窪田氏)。

また、5大商社は事業投資のリスク管理には一定の蓄積がある。「幅広い産業でトレーディングを行っている。すると取引先などを介してさまざまな情報が入ってくる。そうした情報を基に組織的にリスク管理を行い、投資を行っている」(窪田氏)。こうした意味でも商社株への投資はリスクが低いと、バフェット氏は考えたものとみられる。

バフェット氏が期待する通り、5大商社は企業価値を向上させられるのか。そして、バークシャーの保有割合が今回のリリースで示した「(各社)最大9.9%まで」という上限に迫るかどうか。5大商社への注目度が一段と高まりそうだ。

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