日米「2つのサプライズ」で株価はどうなるのか FOMCは上昇要因で、安倍首相辞任は下落要因!?

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毎年恒例の「ジャクソンホール会合」は、くつろいだ雰囲気の中で行われるが今年はオンラインで行われた(写真は昨年の会合、右がFRBのパウエル議長:ロイター/アフロ)

結論から言うと、主要国の長期的な株価展望は従来と基本的に変わっていない。つまり、日米等の株価指数については向こう1年程度は暴落せず、暴騰もしない。保ち合いか小幅な短期の上下動を繰り返しながら、徐々に株価水準が切り上がっていくと見込んでいる。

なぜ株価は緩やかにしか上昇しないのか

この背景には、コロナ禍をくぐり抜けようとしている世界経済・企業収益の持ち直しや主要国の経済政策の効果が株価を下支える、と考えていることがある。

一方で、株価は最近の新型コロナウイルスに対するワクチンや治療法の開発報道を好感しているが、まだそうした医学的な方策の効果や副作用などが不透明ななかで、短期的にはややはしゃぎ過ぎだと懸念される。また、景気や企業収益の回復は極めて緩やかなものが見込まれるため、株価の上値も抑えられるだろう。

こうして「全体相場が大きくは動かないが、株価の方向性が上」、という予想が的中するのであれば、主要な個別銘柄や株式ETF(上場投資信託)、一般の株式ファンドなどは、買っておいてそのまま寝かしておく、という投資方法が適していると考える。

値動きが全般的に小さいなか、そこで無理やり大儲けしようと、信用取引や株価指数先物などで思い切りレバレッジ(実体的に借り入れによる取引)をかけると、予想外の方向に株価がぶれて、投資から「一発退場」となりかねない。儲けるよりも生き残ることが重要だ。

もちろん、こうした見解は、日経平均株価やニューヨークダウ工業株指数など、主な国の主要な株価指数や、そうした指数とほぼ並行的に動く主要銘柄についてのことだ。小型株などの個別銘柄のなかには、株価が大きく上や下に動くものがあろう。

ただ、筆者個人については、それぞれの企業に訪問取材できているわけではなく、個々の企業の財務分析を精緻に行えているわけでもない。

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