家族円満「名もなき家事」との上手な付き合い方
名付け親が教える「家庭内あるある」の対処法
「たとえば、ある家事をAさんにまかせたら、その家事の担当者はAさんです。Aさんのやり方に口を挟み、指摘しないことを心がけましょう。Aさんが慣れない家事だった場合、失敗することがあるかもしれません。でも、失敗のなかから学ぶことも多くあるので、失敗を責めないで。家事をやり終えたあとの小言もタブーです」
「子育てと同じで、待つことが大事です。家事をまかされた人は、自分のペースで家事をこなすので、まずは黙って見守ること。まかせた家事に関して伝えたいことがあったら、間を置いて伝えることもポイントです。ここまでに終わらせてほしいというおしりの時間を決めると、作業効率がアップします」
「褒めて伸ばすのは1つのテクニック。まかされた人は、その家事をやり終えたら達成感があり、ここでお褒めの言葉が有効です。『ありがとう』のひと言で、『またやろう』という気持ちが芽生えます。家庭内で素直に感謝を伝え合えるのは非常にいいことです」

ルールの明確化や、相手を思いやった役割分担を
三木さんと梅田さんが強調するのは、家庭内でのルールの明確化や、得手不得手を思いやった役割分担の重要性。そこでは、「名もなき家事」を軽視せず、やってくれている家族へのリスペクトが何よりも大切なのかもしれません。おふたりのアドバイスを参考に、「名もなき家事」の取り組み方を変えてみると、気持ちや時間にゆとりが生まれ、家族みんなが笑顔になるはずです。今すぐ実践できる方法で、心地よくラクに暮らしませんか?
(写真:伊藤大作、ライター:金子 恵美子)
梅田悟司さん
コピーライター/3歳の愛息と奥様の3人暮らし。2016年から2017年にかけて、4カ月半の育児休暇を取得。当時を振り返ってTwitterに投稿した「育休を4カ月取得して感じたこと」が反響を呼び、累計1200万PVに。著書に、『やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(サンマーク出版)ほか。
家事シェア研究家/5歳の愛娘と奥様の3人暮らし。内閣府「男性の暮らし方・意識の変革に関する専門調査会」委員。”10年後、20年後も「ただいま!」って帰りたくなる家庭にしよう!”をスローガンに家族の家事シェアを広めるため、NPO法人tadaima!を設立。年間80本以上の講演・講座を行う。